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第八話『僕と君の話』(玉森くん) ページ36

「裕太、明日お休みでしょ?買い物に付き合ってくれない?」



「あ・・・ごめん。明日高校の同窓会あるんだ」




「同窓会?聞いてないよ?」



「うん。今言った」

 


何か、まずかった?


沙弥の顔がみるみる不機嫌になっていくのを、不思議な気持ちで見つめる。



「じゃあ明日は地元に帰るの?」



「ううん。東京にいる人たちだけでやるみたい」



「珍しいね。そういうのに顔出すタイプじゃないのに」



「・・・そだね」




気まずさを誤魔化すために、ちょっぴり微笑んでみる。


沙弥を、それくらいのことで誤魔化せはしないけど。



「あの人も来るの?栗原さん」



「さぁ?わかんない。同窓会の話してないし」



「・・・前から思ってたんだけど、裕太と栗原さんって、何か不自然だよね」



「ん?どこが?」



「同窓会の話だって、普通はするでしょ?同じクラスだったんだから」



「そうかな?」



「栗原さんのこと・・・同級生が同じ会社にいることも、すぐには言ってくれなかった。何かやましいことがあるの?」




沙弥が、ずっと聞きたかったことはこれなんだ。



栗原と俺の関係性。



それは、俺たちにだってわかんない。



腐れ縁なのかもしれないし、ただの偶然なのかもしれない。



ただひとつだけ確実にわかることは、栗原と俺が、4年ぶりに再会したということ。





「ないよ?やましいことなんて何もない。栗原にも失礼だから、そういうことは言って欲しくない」



「・・・ほら。そういうことも普段は言わないでしょ?」



涙を堪えながら、沙弥が俺を悲しそうに睨む。




「・・・ごめん」





そうだね。




多分、俺は少し変だ。





栗原に再会してから、油断していると、すぐに高校生のあの頃に、意識をとばしてしまう。





決まって回想するのは、高校3年の、あの一年間の出来事だけ。




思えば、俺の側には、いつも栗原がいてくれた。

第八話『僕と君の話』(玉森くん)→←第七話『私を好きな人。私の好きな人』



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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ;∀;)嬉しいです!ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです!マキさんの作品、本当に大好きです!! (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした!展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています! (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです!玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね!時間が経つのが早くてびっくりしてます笑! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年12月24日 1時

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