第七話『私を好きな人。私の好きな人』 ページ34
告白を受けて以来、初めて横尾さんと食事をすることになった。
返事をどんなふうにすればいいのか、いまだに迷ったままなのに。
“会社の人に見られたら面倒だから、店の前で待ち合わせしよう“
そう言われて、私は横尾さんに指定されたお店に向かう。
緊張で、さっきから顔が強ばっていることは、自分でもわかってる。
「そんな怖い顔してどこ行くの？」
「・・・玉森くん」
「どうした？横尾さんに叱られた？」
「・・・そんなんじゃない」
「じゃあもっと楽しそうな顔したら？」
「・・別にいいじゃない。私はこんな顔なの」
「俺に怒ってるんだね」
「怒ってない。玉森くんに怒る理由なんてない」
「怒ってる人って、本当は悲しんでるんだって。知ってた？」
「・・・知らない」
「栗原」
「・・・何？」
「可能性を感じるなら、横尾さんに委ねていいんじゃない？」
「え？」
「今、好きなのかわからなくても、いつか好きになるかもしれない。世界なんて、案外それで回ってるよ」
「・・・・何で、私にそんなこという・・の？」
「俺には沙弥がいる」
「・・・そんなのわかってる」
「俺も賭けたんだよ、可能性に」
背中の押し方が乱暴だよ。
私に可能性はないんだと、
玉森くんを好きでいてはいけないんだと、
玉森くんは、彼に似つかわしくない冷静さで、私にそれを伝えてくれた。
「玉森くんが言った通りだと思う」
「ん？」
「横尾さんは、幸せにしてくれると思う。私のこと」
玉森くんは微笑んで、「じゃあな」って私の頭に手を当てた。
それはまるで、卒業式の日に“バイバイ“って私の手を握った、あの日の玉森くんみたいだった。
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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ；∀；)嬉しいです！ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (
レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです！マキさんの作品、本当に大好きです！！ (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした！展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています！ (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです！玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね！時間が経つのが早くてびっくりしてます笑！ (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
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