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第六話『好きになってはいけない人』 ページ30

とぼとぼと歩いて、最寄りのスーパーに入る。




自炊は、私が無敵になるための第一歩だ。




「あっ」




野菜コーナーに、その場に似つかわしくない、背の高い男性がいた。



そしてその人を、私はよく知っている。




「横尾さん?」




「栗原?珍しいとこで会ったな」



「自炊始めたんで」



「いつから?」



「今日です」



「日本語としておかしいだろ。”始めた“じゃなくて”始める“だろ」



「細か〜い。やだぁ」



「あ!?」



「・・・って言われないようにしてくださいね。例えば彼女さんとかに」




「いねーよ!」




「ですよね!」




「どういう意味だよ!」




「だって怖いじゃないですか。どうせ怒るんでしょ?何か気に入らないことがあると」



「お前は俺をなんだと思ってんだ」



「とても私の口からは言えません」



「何だよそれ。つーか俺、恋人には優しくするタイプだし」




「え〜?!信じられない!絶対嘘!」




「めちゃくちゃに言うじゃんか」



「いや、逆に見てみたいかも。恋人に優しくする横尾さん」




「見れるんじゃね?」



「え?」



「お前が俺の恋人になれば、そんなのすぐに見れんじゃん」




え?

え?え?



冗談?それとも本気?



真顔過ぎてわかんない。

てかうっすら怒ってない?


告白めいたことしてる時に怒るってある?!



ない!ないないない。



てことは・・・・




「なぁんだ、冗談かぁ」



「いや、本気だけど」



「わかりずらっっ!!」





変なタイミングで変な告白の仕方をする横尾さん。



スーパーの野菜売場での、たった五分のできごとだった。

第七話『私を好きな人。私の好きな人』→←第六話『好きになってはいけない人』



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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ;∀;)嬉しいです!ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです!マキさんの作品、本当に大好きです!! (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした!展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています! (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです!玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね!時間が経つのが早くてびっくりしてます笑! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年12月24日 1時

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