第一話『18歳・春』 ページ1
ため息をついて、黒板に書かれた自分の名前を睨む。
“学級委員・栗原A“
たった今、じゃんけんに負けて、クラスの雑用係である学級委員を拝命した。
新学期早々、ついてない。
私は、高校生最後の1年も、大して変化のない毎日を過ごすのだろう。
「栗原！」
ホームルーム終了後、担任が手招きして私を呼んだ。
早速雑用を言いつけられることを察して、無意識に顔をしかめてしまう。
「・・・何ですか？」
「お前、学級委員になってたよな？」
「じゃんけん、負けたんで」
「早速、お前に頼みたいことがあるんだよ」
「・・・はい」
「お前、玉森って知ってるか？」
「玉森？・・・知らないです」
「ほら、窓際の席の後ろから2番目の・・今、思いっきり寝てるやつ」
先生が指した方向に目を向ける。
そこには、確かに、机に突っ伏して眠っている男子生徒の姿があった。
「あいつ、去年も俺のクラスだったんだけど、いつもあの調子で、全然やる気ないんだよ。今年は3年なんだから、さすがにあいつにも進路を決めさせなきゃなんねーだろ？」
「・・・はぁ。でも、それと私にどんな関係が？」
「この1年、お前に玉森を任せる」
「は？！」
「頼む！課題とか提出物とか出席日数とか、いろいろ気にしてやってくれよ」
「何で私が？」
「学級委員だろ？」
「学級委員は田中くんもです！彼に頼んだらいいじゃないですか！」
「田中ぁ？あいつはダメだ。自分のことで手一杯だからな」
「私もです！」
「お前は大丈夫だ」
何を根拠に？！
「とにかく、一年間、栗原が玉森の専属ってことで」
「無理です！話したこともないんですよ？」
「玉森には俺から言っとくよ。何かあったら栗原を頼れって」
雑用にも程がない？！
何で私が知らない人の世話を焼かなきゃなんないの？
「・・・・全然起きないじゃん」
友達らしき人たちに肩を揺すられても、窓際の後ろから2番目に座っている男子は、一度も顔を上げなかった。
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マキ(プロフ) - かのんさん» うわーん( ；∀；)嬉しいです！ありふれたありきたりな話しか書けませんが、好きだと言ってもらえてすごーーく嬉しいです(*^^*) (2021年4月17日 13時) (
レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もう、本当に本当に大好きです！マキさんの作品、本当に大好きです！！ (2021年4月16日 19時) (レス) id: 46e739e0e0 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - eiennianatadakeさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)私の書いたもので少しでも心が温まってくださったのなら、こんなに嬉しいことはありません(*^^*) (2021年4月15日 16時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
eiennianatadake(プロフ) - とても心が温かくなるようなお話でした！展開にハラハラしたり泣けちゃったり次回のお話も楽しみにしています！ (2021年3月4日 3時) (レス) id: 69ceef1236 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - umiさん» このお話を好きになっていただけて嬉しいです！玉森くんのドラマが始まる前に書き終えたんですが、もうドラマも終盤ですね！時間が経つのが早くてびっくりしてます笑！ (2021年3月3日 0時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
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