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「・・本当に恥ずかしい」




水城先生とのやり取りを、思い出して赤面する。




水城先生を、わけのわかんないこと言って困らせた。



あんなのまるで、受験に疲れた情緒不安定の要注意生徒だ。





頭を抱えながらトボトボ歩いていると、後ろから自転車の走行音が聞こえてきた。



じゃまにならないように端による。




急ブレーキをかける音がして、自転車が私の目の前に回り込んで止まった。




「みっくん!」




自転車に乗っていたのはみっくんで、私の顔を覗き込んで、可笑しそうに笑う。




「ほんとだ。酷い顔してる」




「え?」




「帰りがけに水城と会ってさ、お前のこと心配してたから」





「・・・みっくん、それ誰の自転車?」





「知らねー。学校の放置自転車」





「・・・もしかして、心配して追いかけて来てくれたの?」




「はぁ?心配なんてしてねーよ」





「じゃあ、何で自転車で・・・





「後ろに乗れよ」




「え?」




「二人乗りしよーぜー」





「ダメだよ!二人乗り禁止って、みっくんいつも集会とかで言ってるじゃん」





「いいから乗れって」





「やだ。誰かに見つかったら大変だもん」





「暗いから大丈夫だよ」





最後は根負けして、みっくんに言われるままに自転車の荷台に座る。





「行くぞ?」





バカみたいなスピードで、みっくんは自転車を走らせる。





「怖いよ!」





「気持ちーだろ?」





「怖い!」





「・・・A」





「何?」





「頑張れよ」





「え?」




「頑張って頑張って頑張って頑張れ!俺は言わないから。頑張んなくていいなんて、無理しなくていいなんて、俺は絶対言わないから」





「・・みっくん・・」





「だけど、側にいる。こんなふうにお前が疲れた時、俺はお前の側にいる」





真っ直ぐに前を向いたまま、みっくんはそう言った。







やっぱりこの気持ちは、憧れなんかじゃない。




やっぱりこの気持ちは、ただの情なんかじゃない。







やっぱり私は、あなたのことが好きです。

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マキ(プロフ) - 青黄赤緑紫LOVEさん» 大切な想い出を共有させていたただき、ありがとうございます。かき氷のシロップの全部がけ、北山くんと横尾くんの対比を明確にしたくて描いたシーンでした。私の思いついたシーンが誰かの想い出をくすぐることがあるなんて、なんだかジーンとしてしまいました(;-;) (2021年12月19日 17時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちはるさん» お返事が随分遅くなってしまいさました。すみません!横尾担からの北山担のちはるさんの為に作ったようなお話ですね笑!私も二人とも大好きです(*^^*) (2021年12月19日 17時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかみつばさん» コメントに気づかず、長い時間が経ってしまっていました。すみません!『透き通る』という題名なので、登場人物たちの気持ちをキレイだと言っていただけて嬉しかったです(*^^*) (2021年12月19日 17時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 氷・レモン・氷、メロン・氷・ブルーハワイ、氷・最後にイチゴ・練乳でした。 最初はイチゴ練乳だから美味しかったのを覚えています。ブルーハワイの途中から味が混ざり独特な味がし、二人して吹き出した事を懐かしく思います。思い出させてくれて有難う御座います。 (2021年12月18日 21時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)
青黄赤緑紫LOVE(プロフ) - 先日は、パスワード有難う御座います。 家事の合間に拝読させていただきました。かき氷のシロップ全部かけ…故主人と最期の夏祭りのかき氷、シロップ全部かけした事を思い出しました。私が買ったかき氷屋さんのは、氷とシロップを重ねて層にするもので下から (2021年12月18日 21時) (レス) id: 3c812bd8e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年8月22日 1時

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