お見通しさ ページ40
『……今日も貴方1人なの？フレッド』
「あぁ。もちろん。俺はいつだって1人さ」
ジョージは、授業には出席するが、寮を出る時間をずらすようになった。今日は、フレッドが起きると既にジョージの姿はなかった。
『段々と腹が立ってきたわ。なんで私、こんなに避けられてるわけ？』
「ほーんと…不思議だよな……」
『フレッド、貴方本当に何も知らないんでしょうね？』
「……あぁ。なんにも知らない」
フレッドは嘘をついた。
しかし、今日という今日はAと話をしてもらうよう、フレッドは計画を立てていた。
「なぁ、A。俺、ちょっとこの辺で」
『どうして？朝食は取らないの？』
「…マクゴナガルに呼ばれてる」
『あぁ……また何かしたの？』
「そう、そんなとこ」
『分かったわ。それじゃあ』
「また後でな」
Aの姿が見えなくなるまでフレッドは彼女を見送り、大広間とは反対方向へ歩いて行く。
グリフィンドール寮へ戻り、フレッドは自室のドアを開けた。
「ジョージ！出てこい！」
そう叫んでも、返事はない。
フレッドは鼻で笑った後、ジョージの天蓋ベットのカーテンを開け、そのベッドの下を覗き込んだ。
「ハロー、ジョージ。良い朝だってのに、なにしてるんだ？モグラの真似？」
「……そんなところ」
フレッドは目覚めて、ジョージのベッドに誰もいないのを見て驚いた。フレッドは物音には敏感な方だ。物音も立えずに制服に素早く着替えて、自分より早く大広間へ向かったなんて、あり得るのか。
いや、あり得ない。ジョージの考えなんてお見通しだ。
フレッドはジョージが隠れているベッドの下へと潜り込んだ。
「おい、狭い」
「いいだろ？子供の頃はこうしてママから隠れてたじゃないか」
「いつの話だ」
「ママの目を欺いたように、ここに入ってれば俺から隠れられると？」
「……あぁ」
「詰めが甘いな相棒。お前の考えなんてお見通しさ」
フレッドはジョージの頬をつねった。
「Aが話しがあるってさ。来いよ。もう何日も3人で行動してない」
「…どんな顔すればいいかわからない。前まで……どんな顔してたか忘れちまった」
「だったら思い出せ。ジョージ、俺は知ってる。Aと俺が最近2人きりで行動してるから嫉妬してるって」
「してない」
「いいや、してるね。最近ジョージからの視線が棘みたいに刺さってる」
フレッドはそう言って痛がるそぶりをしながら背中をさすった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らら(プロフ) - Aliceさん» 一体どっちとくっつくのか…^ ^更新をお楽しみに……！ (2023年3月6日 17時) (
レス) id: 71ed0c2205 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - なにこの青春っ……！甘酸っぱい…🤤もう2人とくっついちゃえ…！😍 (2023年3月6日 14時) (レス) @page50 id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - 灰さん» わわっ！嬉しいですありがとうございます^ ^ハートを１つ送っていただけるだけで励みになってます！！いつもありがとうございます！！次の更新をお楽しみに…！！ (2023年3月5日 22時) (レス) id: 71ed0c2205 (このIDを非表示/違反報告)
灰(プロフ) - はじめまして。ららさんの書く物語の世界観が素敵で、すっかりファンです^ ^双子の賑やかさが楽しくて、スリザリンの女の子もとっても可愛くて、読んでいて幸せな気持ちになりました。ハートをもっと送りたいのに、送れなくてもどかしいです。更新を楽しみにしています (2023年3月5日 18時) (レス) @page44 id: d11b046bc6 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - さくらねこさん» どっちにしようか迷ってる状態です…！！次の更新をお楽しみに…！！ (2023年3月5日 12時) (レス) id: 71ed0c2205 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らら | 作成日時：2023年2月26日 9時
