おきたさんのおへや ページ22
「沖田さんの、傍にいたいんです！
この、真選組にいたいんです」
私は彼らの家族であり。
誰に何と言われようと。
「真選組の、女中なのだから」
総「･･･好きなんでさァ」
襖に手をかけたまま、沖田さんがボソリと言った。
総「･･･だから！
Aに、怪我させたくねェ！
それがいけねェことですかィ！」
沖田さんが、早口にまくし立てる。
こんな沖田さんを見たのは、初めてだった。
かと思いきや、切なそうななんとも言えない顔になって、弱々しく呟く。
総「とにかく、あんたには無事でいてほしいんでさァ」
沖田さんが女中解雇の話をし始めたのは、
私が攘夷浪士に拐われたころだと近藤さんは言った。
�狄秦�組女中��
その肩書きが、私に危害を及ぼすかも知れない。
沖田さんは、そのことを危惧してくれているのだろう。
嬉しかった。
沖田さんが、こんなにも心配してくれていたのは。
でも。
「自分の身くらい、自分で守れます！」
私はそれでもここにいたかった。
私の声も、知らぬ内に激しさを増していたらしい。
思いのほか大きく響いた、その声に戸惑っていると。
怖い顔をした沖田さんがずんずんと迫ってきた。
かなり怖い。
トラウマレベルで怖い。
少し後ずさるも、背中は襖にぶつかり逃げ場がないことを知る。
「いたっ！」
そうこうしている間に、いつの間にか腕を捕まれ襖に押さえつけられていた。
総「ほら、な？所詮、こうなったらいくらAが強くとも、女に勝ち目はねェ。
分かったら諦めてさっさと家に帰りな」
「･･･嫌です！」
確かに、こうなってしまえば私に勝ち目はなかった。
いくら腕に力を込めても、沖田さんはビクともしない。
･･･ので。
少しはばかられるけれども。
沖田さんのお腹に膝蹴りを食らわせた。
総「ぐおっ」
なんとも表記し難いような奇声(悲鳴)を上げ、
沖田さんはお腹を抱えたままくの字で畳を転がっている。
「ほら、私は大丈夫です。
それよりも、私は。
あなたが、心配なんです」
私は未だに畳の上を転がっている沖田さんに言った。
沖田さん
「月が綺麗ですぜィ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおいひつじ(プロフ) - 笹の葉さん» こんな駄作をわざわざご覧いただき、本当にありがとうございます！まさか、面白いと言っていただけるなんて！もっと頑張ります故、これからもなにとぞよろしくお願いします！･･･まさか絵についても褒めていただけるなんて･･････涙出てきそう (2019年12月25日 15時) (
レス) id: eda71cecc1 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - すごく面白いです。あおいひつじさんも、とても絵が上手いと思います。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: c9e6634d50 (このIDを非表示/違反報告)
あおいひつじ(プロフ) - Noirさん» 助言ホントにありがとうございました！半パニック状態だったので助かりました(笑)笑に()付けたら見やすいですね！てことで真似しよう･･･こんな駄作を面白いとか好きとか言って頂けるなんてもう嬉しすぎて今ならスキップで学校行けます！これからも多分更新頑張ります (2019年9月29日 23時) (レス) id: eda71cecc1 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - あおいひつじさん» いえいえ！私も最近まで知らなかったんです(笑)この作品面白くて好きです！更新頑張ってください (2019年9月29日 23時) (レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
あおいひつじ(プロフ) - Noirさん» わあ！わざわざありがとうございます！画像申請ですね！勉強不足でした笑いや、誰もこんなの見てねーよ的な感じで黙殺されたらどうしようとか思ってたんですけどね、見てくれてた人がいたんだ、て今涙出てきそうです。ホントにありがとうございました！ (2019年9月29日 22時) (レス) id: eda71cecc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あおいひつじ | 作成日時：2019年8月28日 21時
