【ut】俺の初恋 (ページ24)

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○ ページ24

「真っ暗やな」

ふと気が付くともうすっかり暗い色に染まってしまった窓。

夜なんか永遠に来んでええのに。

夜からが本番やん、少し前までそう豪語していた筈の自分が抱いた気持ちに戸惑う。

「今日も楽しかった」

ちょっと寂しそうにAが言った。

「A、あのさ」

腹を決めて、口を開いた。

Aの顔が見れなくて、目線を落とす。

うん、そんな俺に向き直って、Aは優しく相槌を打った。

「俺、女にだらしなくて
Aに出会うまでは浮気とかもいっぱいしとって」

短く息を吸う。

切れ切れに、ゆっくりと、
自分でもよくわからないようなこの気持ちを、少しずつ言葉にして行く。

「でも、Aのおかげで初めて❝恋❞を知ってん」

「自分でもほんま最低やと思う。

Aもそんな俺なんか嫌いやろし
もう顔も見たないて思っとるやろけど、それでもこれだけ言わせてほしい」

「Aが、好きです」

無言のままのAが気になって、恐る恐る顔を上げる。

頭を下げたまま上目遣いに見上げたその顔は、
泣きそうになりながらも、笑っていた。