真選組女中！御用改めである！！【沖田総悟】(6)

しょくどー ページ18

今朝、珍しいことに沖田さんが寝坊した。

周りの人は皆これが普通だと言うのだけれど。

私は未だかつて沖田さんが寝坊したところを見たことがなかった。

食堂で具をよそっていると、いつも沖田さんは割と早い時間には来る。


今日も、そろそろかなとか少し待っていたものの。

･･･来なかった。

朝食の時間が終わる頃になっても、来なかった。

体調でも悪いのかと思ったけど、先輩女中が今頃副長が起こしに行ってるから大丈夫だと言ったので、

とりあえず私も自分の分をよそいお盆を食堂の机に置く。


先輩方は帰る家があるけれど、私はまあここが家なので隊士達を見送った後食堂でご飯を食べることになっている。


広々とした食堂にポツンと一人。

あの活気のある賑やかな食堂とはまるで別の場所みたい。


そんなことを思いながらお米にふりかけをかけていると、副長がアイマスクを付けたままの沖田さんを引き摺ってやって来た。


十｢A、コイツ何とかしてくれ｣

目が遠くなってる。

｢わかりました｣

このままだと確実に屯所に被害がでるのでとりあえず沖田さんを引き取る。

床は硬いのだろう、もぞもぞと沖田さんが動いた。


｢沖田さん、起きてください。

沖田さん｣

そっと鼻の上に手をかざす。


起きている。


｢おき･･･



･････････総悟、起きて｣

そう言ってアイマスクを取ると、目が合った。



急に恥ずかしくなってくる。

アイマスクを取るために膝と左手は床に着いていて。

目が隠れていたから距離とか意識してなかったのだけれど。



近い、いや近い！！


｢お、おはようございます！｣

そう言って慌ててあとずさろうとするとパシッと左手手首を掴まれて。



総｢襲ってんですかィ、それとも襲われたいんですかィ｣

｢え･･･？｣





そう言った沖田さんは何を考えているのか分からないような、初めて見た表情をしていた。

まち→←とんしょ

沖田さんから一言

｢随分と余裕なこったなァ｣

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す