とんしょ ページ45
沖田は幸いにも無事だった。
皆返り血にまみれ顔の見分けもほとんど付かなかったが、
今回の捕物での負傷者はいつもよりは少なかった。
屯所の門を潜る。
「おきっ・・・総悟!」
周りの隊士達より高いその声に沖田ははっと立ち竦む。
そんな沖田のつま先から頭へサッと視線を走らせ、
「無事でよかった・・・!」
と呟きAはそっと沖田を抱きしめた。
総「・・・たでーま」
怪我人の手当てを少し手伝わせてもらったけど、今回は嬉しいことに赴いた隊士の大半が無傷だった。
・・・沖田さんも、無事だった。
メ「惚れ薬に侵されてた時の記憶、ある?」
「え?惚れ薬?」
そう聞かれた時、何も知らないフリしたけど。
いっその事忘れてしまえたらよかったのに。
・・・あんな、恥ずかしいこと・・・・・・
でも、あんな風に敬語とかも使わず接してみたい、とかちょっと思ってたりもする。
・・・さっき惚れ薬のせいにして沖田さんに抱き着いたのは、バレてるだろうか。
呼び方間違えそうになったけど、大丈夫だよね。
一方その頃の沖田は。
総「さすがにそれは反則でさァ」
洗面台で赤くなった顔をゴシゴシと擦りながら顔に付いた血を洗い流していた。
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「ビビってんですかィ?」
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作者名:あおいひつじ | 作成日時:2019年12月20日 14時