真選組女中！御用改めである！！【沖田総悟】(5) (ページ13)

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びょーいんページ13

そっと寝ている沖田さんの顔を覗き込む。

山崎さんが目を塞ぐのが横目で伺えた。

一時期付けてた酸素マスクもなくなって、静かに眠っている沖田さんはこの世のものとは思えないほど美しかった。

それはまるで繊細な彫像のようだった。

これは確かに眠りの森の美女だ。

〝心の底から愛し合う者〟のキスによってしかその呪いは解けないのだから、

私に呪いが解ける筈もない。

あくまでも愛し合っていなければいけない訳で、片思いでは無理がある。

私は目線を上げた。

指の間からこちらを覗く山崎さんに手で譲る仕草と共に声をかける。

｢私よりも山崎さんの方が適任だと思うので、どうぞ｣

･･･それもそれでまずい絵面になるとは思うのだけれど。

ダークサイドに堕ちた真選組ダブルトップの前で断る訳にもいかないので。

とりあえず、山崎さんを身代わりにして私は逃げることにした。

退室する前にもう一度沖田さんの顔を眺める。

その瞬間、パチリとその目が開いた。

｢っ！？｣

鈍い私が驚きで一瞬固まってしまっている間に、沖田さんは私の頭の後ろに手を伸ばす。

そのまま、引き寄せられて。

綺麗な顔が、近ずいてって。

僅かな熱を、唇に感じた。