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6話 ページ8

自宅から浅草まで走って向かう。




勿論、大通りとか人気が多い道は使わない。そんなところを呼吸使って走ってたら変人だしね。




鴉が知ってる裏道…言ってしまえば山道を通っていく。




たまに休みたい時は茶屋とかには寄っていくけど今回は時間的にも金銭的にも余裕がない。




『(この前、弥生(やよい)奏輔(そうすけ)が物凄いご飯食べて、その上(れん)とか幸太郎(こうたろう)が怪我してお金かかったから…今いくら残ってるかなぁ?なんとかぎりぎり今日と明日はもちそうだけど…私は食べない方があの子達はもっとお腹いっぱいになるはずだから私の分は抜いて…今夜は早く帰れるだろうか。夕食の献立は…)』




毎日恒例の移動時間中に脳内でぐるぐる考えることをする。大体は子供達の事だが。




早く帰ってやりたいのは山々なのだが総勢五十人分の食糧を確保するとなると一日に5、6件の仕事をこなさないといけない。




家具や茶碗、本などは近所の人々やまたは柱達からもう使わなくなったものを貰ったりしているので、そこらへんの出費はないのだがそれでもやはり余裕はなかった。




『(でも藤の花の手入れはしっかりやってるみたいだし、鬼の被害は少しは免れるか…)』




敷地の周りには藤の花が高い柵状に咲いている。これもAが鬼殺隊であるからこその対処であるが、A自身も子供達に鬼の存在を«本の中の登場人物»と思い込んでほしくなかったがために暇があればいつもいつも鬼について教えていた。





『(柱の誰かに子供達のことを言っても…負担になるだけだし…あの子達は私が責任もって守らなくてはならない)』




自分に言い聞かせるように唱えると、真一文字に結んでいた口の端がきゅっと鳴った。




さっきから視界に移るのは木々とわずかに残る獣道だけだったが、だんだんとそれも薄れてきた。




『……!!人の気配がしてきた。もうすぐ着くか』




ちらりと頭上を飛んでいる鴉を見ると、今にそれを伝えんとしていた。




気を引き締めたAは呼吸を使ってその肺にたっぷりと空気を取り込み、一気に加速したのだった。

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らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時

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