7話 ページ9
そして浅草に到着…
木々の合間からぬけて人通りの多い道へ出た途端、Aは眉間に皺をよせた。
『相変わらず人が多い…。隊員の中には田舎出の者もいるだろうにこんなところに来たら気分が悪くなるだろうな…。昔ここにはよく来てたから少しは慣れたがやっぱり自宅付近の村の空気の方が吸ってて気持ちがいい。それに比べてここら辺の空気は…』
辺りを見回すと人か車か建物か。それくらいしか種類的にはないがそれらがごちゃごちゃしていて見ていてあきない。だが都会の中を動く車や電車から発生する、決して綺麗と言えない空気や人混みの中で巻き起こる砂ぼこりは不快のもとだ。
『汚い…お館様もこんなとこに来させるなんてある意味残酷ですな…』
Aは主君、産屋敷の顔を思い浮かべてため息をついた。
鴉「モウスグ約束ノ時間ダゼェェェ!!」
『はいはい…女性の方だっけ…』
耳元で叫ぶ鴉を手で押し返して頭の中で昨夜確認した地図を思い出す。刀はなるべく羽織の影に隠しながら歩く。
『家の前で使いの人が待ってるとか言ってたね…』
そんなことしてくれても人が多すぎて誰がそうなのか全くわかんないんだけど…まあご厚意として受け取っておこうか…
しばらく歩いていると脳内の地図と一致する場所まで来た。このすぐ近く…なんだけど。
鴉「オイ、アイツジャナイカ?」
『ん?…!!!??』
肩に乗った鴉が嘴で指した所をちらりと見るとそこには通り過ぎる人々の顔をいちいち覗き込んでいる超挙動不審な男性がいた。
…いや、思わず二度見したよ。
『…本当にあの人?』
誰だって現実逃避したい時くらいある。私は確認するように鴉に問いかけた。その時
男性「…!!…鬼狩り様ですか」
男性と目が合ったと思ったらパアッと効果音がつきそうなくらい顔を輝かせてこちらに駆け寄ってきた。
鴉「…ミタイダナ」
心なしか鴉の声のトーンが低くなっている気がした。気持ちはわからなくもないが失礼に見えるからやめなさい。
『は、はい。鬼殺隊外務交士の鐵と申します。鈴川様でお間違えないですか?』
若干遅れたが華やかな営業スマイルをつくって名前を問う。…これで違ったら最悪。
男性「は、はい、そうです。姉なら家の自室におります。私は弟の
『こちらこそ』
私は淳作さんの後を追って家に入った。
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らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時