39話 ページ43
山をおりて麓の入り口まで戻るとそこには四人の子供がいた。その子達を見て何故かAは姿を隠した。木の影からそぅっと見守るように覗く。
『(おお、やはりあの三人は生き残ったか!私の目は正しかったな…。あともう一人は…?…ん?)』
少し身を乗り出して最後の一人をじぃっと見つめると思わずAはあっ!!?と心の中で叫んだ。
背中に冷や汗がつたう。
『(鱗滝さんの着物!!!あと…あの刀…)』
驚いた、7日間会えずにいたあの少年が今ここにいる。やっとだ。やっと近くで顔を見ることができた。
『(それにしても大丈夫か…??ぼろぼろだし、頭に包帯を巻いているし…大変だっただろうな)』
少々他人事だがAは痛々しい少年を心配そうに見た。
『(名前だけでも知りたい…)』
不意にそう思って、ぐぃっと近づこうとした時、あのお子達が揃って叫んだ。
お子「「柱のおなり!!」」
『(!!?!?!?)』
思わずAは目を見開いた。その場も少々ざわつく。
最初は人違いかと思ったが、ここにいる柱なんて自分以外いないだろうと冷静に考えて、その上で驚いた。
聞いてない。何も。何を言えばいいのか?
出ない訳にもいかないのでしぶしぶ草むらから人前に出たAだったが八つの目に見られていて居心地が悪い。
しーんと静まり返った場所でAが内心わたわたしていると、お子達の声が響きわたった。
お子「「柱の鐵様よりお言葉をいただきます」」
『(お言葉!!?)』
考えてないのに格言をはけるはずもない。単純にAは、自分を訝しげに見つめる子供達に思ったことを告げた。おまけで営業スマイルをくっつける。
『よく7日間生き残ったね。これからも頑張って、見守っているよ』
自称、お館様の真似。別にへんなところはなかったし、うまく切り抜けたと思う。そう思ってふぅ、とため息をついた時
鴉「カァ!!カァ!!仕事ダ!!仕事ガ入ッタ!!」
自分の鴉が勢いよく飛んできて、叫びながら肩にとまった。
救いなのか邪魔なのか、この鴉の存在はいまだに謎だとつくづく感じた。でも今回の場合はちょうどいい。
『ごめん、この通り、もういかなくちゃならないんだ。じゃあこれからよろしくね』
この場から逃げたい一心でAは四人に向かって笑いかけると一目散にその場を離れた。
『(あ、あの子に名前聞くの忘れた…)』
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らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時