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病院で一通り検査を終え、なんの異常も無いので大丈夫だと言われ、警察署ではうんざりするほど話を聞かれて、
ええ気がついたら部屋にいました、はいとそれしか言う気は起きず、不振そうな顔の警官にやや怯えながらもようやっと解放された。

しかし開放されたとは言っても私の心はどよどよと重いままで、母は私と話したいと言ってくれたがそれも無理そうで、また後でと断りを入れてからは自室の狭い和室の隅で丸まって何もしなかった。

窓辺のリンドウが陽の光を浴びてやや暑そうにすら思えて、小さい和室に小さく取り付けられた明り取りの為のそれから、真っ直ぐ伸びた光はその場所だけ畳の色を変える。

ゆっくり流れているホコリがいつまでもそうして舞っているから、つい息をしたくないなんて思ってしまった。

そうして数日間、私は怠けて過ごして、母が学校に行ってみたら少しは気が晴れるかもというから、ららの事を思い出して、すこし前向きな気になりもうずっと行っていない学校に行くことにした。









朝、目覚ましの鳴り響く音で目が覚め重い体を引き起こして伸びをする。

昨日アイロンをあてたばかりのシャツを取り出し手早く制服へ着替えると、小窓のカーテンを開けて堪えきれなかったあくびを許した。
麗らかな陽の光が身に染みて、ぼやぼやだった脳みそがきん、と冴え渡る。

スマホとカバンを手に取って、木製の襖を引き、ぎしぎしうるさい階段を下りると焼いた魚の香りが鼻を柔らかくくすぐって、

「おはよう、A。ご飯出来てるわよ」

優しい笑顔の母が、前見たく懐かしく迎えてくれてああ本当に戻ってきたんだなと涙が出そうになった。

ご飯と焼き鮭を交互に口に運び、わかめの味噌汁で流し込んでを繰り返してひと息ついて、


髪をセットして、久々に使ったスタイリング剤の素晴らしさに少し感動して、お金が無いから食費まで抑えるような生活はもうしなくていいのだとしみじみ思った。

家を出る時間になってもリドルさんはやってこず、それはそうだ、何考えているんだ、私。

ゆっくり、ゆっくり、確かめるように住宅街を歩いて学校へ向かい、正門をくぐって、先生に泣かれて、心が温まる。

どくどくとうるさい心臓は教室のドアの前に経つ頃にはピークを迎えていて、もう何度目かも分からない大きな深呼吸をさらに重ねて、重ねて!

ゆっくり引いてそれを開けるとあの子は、たくさんの友達に囲まれて笑っていた。

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らぱ(プロフ) - オパールさん» ほんとに刺さってるみたいで良かったです〜!ありがとう! (11月12日 21時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - あああ!性癖にぐっさり!刺さりました! (11月10日 18時) (レス) @page40 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
らぱ(新)(プロフ) - 青藍さん» ありがとうございます🤤嬉しすぎて溶けそう🤤伝わりましたよ、好きになってくれてありがとう🥳🥳🥳 (2022年5月24日 16時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
青藍(プロフ) - うわぁ、ものすごい作者様を見つけてしまった……どこか大切なところが欠けてるような、ずれてるような、そんな感じで、どこか不気味で不安定な感じにどきどきして、歪んでどろどろした、そんな感覚がとても好きです、上手く伝えられなくてすみません、応援してます。 (2022年5月24日 13時) (レス) @page40 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
らぱ(新)(プロフ) - 愛涙さん» わわわ私を喜ばせる天才ですか!言って欲しいこと全部言ってくれて嬉しすぎる!✨ありがとう私も大好きだ!!! (2022年1月14日 21時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らぱ | 作成日時:2021年12月3日 22時

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