2 ページ4
午前の授業は瞬く間に過ぎ時刻は昼。学園中が賑やかになる時間帯。私は特に騒がしくなる大食堂のテーブルで、フォークを片手に頬杖をついていた。
「行儀悪いんだゾ」
「へいへい」
結局あの朝の騒動の後、登校こそは別々だったものの、十分休みには何かと理由を付けて教室にやってくるし、クラスメイトからは驚かれ恐れられ、エーデュースからは呆れられ、散々である。
そもそも彼は私に対してここまで露骨な態度ではなかった。好感は持たれているなとぼんやり自覚する程度だったし、恋を自覚したなのか唐突に惚れたなのかは知らないが彼の様子がおかしくなったのはほんのここ数日の事だった。(それと同じタイミングで噂も小耳に挟んだ)
しかし、たった数日されど数日。そろそろ私は限界を迎えそうなのだ。
「……お前さあ、別に俺も寮長の肩を持つってわけじゃねぇけどさその……寮長の気持ちとか、考えたことあるわけ?」
確かに寮長は完璧人間見たいに色々こなすけどさ、本当は全然そんなのじゃないってのは、お前もオバブロ見て知ってんだろ?
そんなこと嫌という程分かっているし、私だって辛いものは辛いと感じる。
彼の意見は最もで、その言葉は私の奥深くまでずっしり響いた。そのまま深くで留まって私に揺さぶりをかけてHPを減らしていく。
「え?いやあ、だから俺は!もう少しまともに会話をしてやったらどうだっつってんの、なあデュース達からもなんか言ってやれよ、」
「そうだな、俺もカシ…ローズハート寮長のことは尊敬しているし、Aの態度に思うところがあるのも事実ではあるが、その、うーん、……あれ、なんかお前、ん?気のせいか、?」
デュースはなにかに迷っている様だった。頭に手を当ててうんうんとうなり出してしまった。ほら彼は感受性が高いから。話を降ってやらない方が優しさだと思った。
その後上っ面だけの薄い会話で昼休みは終わってしまった。ユウは何も喋らなかった。ただ酷く悲しそうというか切なそうというか、センチメンタルなオーラだったのは間違いなかった。
そしてその日、リドルさんが私に会いに来ることは無かった。
55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らぱ(プロフ) - オパールさん» ほんとに刺さってるみたいで良かったです〜!ありがとう! (11月12日 21時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - あああ!性癖にぐっさり!刺さりました! (11月10日 18時) (レス) @page40 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
らぱ(新)(プロフ) - 青藍さん» ありがとうございます🤤嬉しすぎて溶けそう🤤伝わりましたよ、好きになってくれてありがとう🥳🥳🥳 (2022年5月24日 16時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
青藍(プロフ) - うわぁ、ものすごい作者様を見つけてしまった……どこか大切なところが欠けてるような、ずれてるような、そんな感じで、どこか不気味で不安定な感じにどきどきして、歪んでどろどろした、そんな感覚がとても好きです、上手く伝えられなくてすみません、応援してます。 (2022年5月24日 13時) (レス) @page40 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
らぱ(新)(プロフ) - 愛涙さん» わわわ私を喜ばせる天才ですか!言って欲しいこと全部言ってくれて嬉しすぎる!✨ありがとう私も大好きだ!!! (2022年1月14日 21時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らぱ | 作成日時:2021年12月3日 22時