暁のヨナ_緋の光_

待望 ページ49

ー白龍sideー



む…あそこか


易々と侵入者をこの隠れ里に招き入れたと聞き慌ててA達の元へと急ぐ白龍


不届き者め…里を混乱に陥れるなど
女でも容赦はしないこの爪で
引き裂いてくれる！！



「そこの女」

振り返る怪き侵入者…
赤い…髪…


ドクンっ

なんだ…



"四龍の戦士よ"


頭に響く優しい声

"私がいなくなったその時は…どうか…彼女を主とし
愛し守り…ずっと…そばに"


ツー…

何故


何故そなたは

何故私は

泣いているのか…？




ズキっ

！？


突然脳裏に浮かぶ映像


泣いている愛しい姿
どうか泣かないで
どうか笑って




ズキズキっ


流れ込む"誰か"の想い




守らねばならなかった
守りたかった…


守れなかった


悲しみの感情が全身を覆い尽くし、頭が割れるように痛む．それだけじゃない，右腕が…血が…逆流するように熱い

熱く…

このままでは燃え尽きてしまう

辛いのに
もう離れたいのに

何故…
なんでこんなにも逢いたかったと思うのだ
離れ難く動けない


そうか…これが…








ウわぁぁぁぁぁ！！！






だんだんと薄れゆく意識の中心配そうにこちらを見つめる赤い髪の少女


あぁ



この御方が

この御方こそ

求めていた我が主



彼女へと手を伸ばすが届く前に意識を手放した








ーーーー



キジャ…
いや白龍よ




お前はいつか燃える様な熱を感じるだろう

その熱は
眩く輝き


お前をやさしく包み込む

そのときこそ




旅立ちの時だー…

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