My love for you will never change ページ9
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迷惑メールばかりが届く毎日から一変した。メールボックスを開く度に期待する。通知欄の一番上に未だに見慣れないアドレスが表示されるだけで心臓がバクバクと反応する。
" うえーい! "
メッセージと共に添付された車内から撮った景色は見てはいけないものを見ているようだった。顔はほぼ映っていないけど、ブログで載っているような生活感が溢れた紫耀くんからの写真は迷うことなく保存した。
" 海のにおいが近づいてきた "
その一言だけで、こちらに向かっているんじゃないかって淡い期待をして、その期待は呆気なく裏切られて、落胆して、…って、大抵はその繰り返し。敢えて返信を遅くしているのだって、きっと紫耀くんにとっては何の気にもならないだろうし、私如きの存在が生意気に何を求めているんだって話。
そして、また急に現れる。
「うぃっす」
「……チャラ、」
「この見た目がだろ?」
「銀髪しんど……」
「えーファンの子って何色が好きなの?」
「何色でも好きです」
「おお、さすが笑」
毎月、月末付近になると、連絡もなしに急に現れる紫耀くんは何の為にここへ来てくれるのか、聞こうにも聞けなくて、ファンとアイドルっていう一線を一生貫いていくんだと実感した。
「なんか元気なくね?」
「え?」
「なんかあった?」
人間観察が得意とは言っていたけど、一般人の私にもそれが通用するなんて衝撃だった。少しの変化も見逃さない紫耀くんは至って真剣に私の顔を覗き込んで心配をするもんだから、私は当たり前に目を逸らす。
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作者名:詠夢 | 作成日時:2021年9月15日 19時