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「蘭さんいるなら俺たち帰った方がいいんじゃ…」
「あ、お気になさらず…
 蘭ちゃんたぶん夜まで起きないと思うし…

 それに昨日は迷惑かけて、ゴメンなさい」



美少女であることは見て知っていたが、
カリスマが溺愛する彼女は実際どんな人なのだろうと、
舎弟たちはそれぞれ想像し、
きっと気まぐれでワガママ、
もしかしたら蘭以上に恐ろしい女なのでは…
と思っていた。



それが…もしかしてこの人、めちゃくちゃ常識人?
え?なんでこの人が蘭さんと??



いや、でも首元には無数の鬱血の痕が…
寝起きの気だるげな姿も相まって、
色気を感じずにはいられなかった。



「おいてめぇらあんまりねぇちゃん見んじゃねぇ。
 兄貴に殺されっぞ」
「やめて竜ちゃん…
 
 でもホントに気にしないで…
 あ、あと、ちょっとお腹空いてて…
 ピザ1切れくれない?」
「ど、どうぞ」



舎弟の内の一人が差し出すと、ユリは笑顔で受け取った。



「わたし、カウンターで本読んでていいかな」
「いいけど…
 起きたときにねぇちゃんがいねぇと、
 兄貴またキレるんじゃねぇの?」
「今日はご機嫌だから大丈夫だと思うよ。
 だから気にしないで遊んでて」



そう言われても、
やはりカリスマの女が気になる舎弟たちは、
何を思ったか、自身の恋愛相談をユリにし始めた。



妙に盛り上がり、舎弟たちも酔いがまわってきたところで、
リビングのドアが開いた。



先ほどトイレに行った竜胆だろうと思ったが…



寝起きの蘭がこちらを見つめていた。



舎弟たちは真顔になる。
永遠かのように感じられた…数秒後。



「脱げ」
「「「「「へ…?」」」」
「脱いで正座」
「「「「「は、はいっ!!!」」」」」



矛先はユリにも向かった。



「お前も…何他の男の前で無防備な姿晒してんだよ」
「男って…お友達でしょ?」
「あ?の割には楽しそーにしてたな?」
「じゃあ言わせてもらうけど…
 昨日、クラブに女の子もいたよね?」



2人のやり取りを聞きながら、
冷や汗をかいていた舎弟たちがふと蘭をみると、
六本木のカリスマが狼狽えていた。



「は?それは…竜胆が…」
と、そこでユリは笑い出した。



「ふふ…分かってるよ。
 ちょっと揶揄っただけ。
 私は蘭ちゃんのこと、信じてるから。

 蘭ちゃんも私のこと…信じてくれてるよね?」



そう言って、正面から蘭に口づけた。

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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