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「ボス、どうする?」という武臣の問いに、
サツの出方次第だと、とマイキーは答えた。



「たぶん…あの子だろ?」
と望月が鶴蝶に言う。



「知ってんのか?」とココが尋ねる。



「天竺にいた頃、灰谷には本命の女がいるって話だった」



「確か…幼稚園の頃からの幼馴染だろ?」
と鶴蝶も言う。



「へぇ…お前らみたいなクソ兄弟にも、
 可愛い子ども時代があったんだなぁ」
と春千夜はまた茶々を入れる。



「俺らが関東事変で起訴されなかったのも、
 ユリが親父さんに頼んでくれたからなんだ。

 その代わり、アイツは海外に行っちまったけど…



 あと…兄貴はもう、
 ユリのことは絶対離さねぇと思う。

 じゃ、俺も一旦部屋帰るわ」



――――――――――――――――――――――――――――――――



竜胆がアジトにある兄弟の部屋へ戻ると、
蘭はユリをソファに寝かせ、頬を撫でていた。



「ボスは何て?」
「サツの出方次第だとよ」
「ならあと1週間、ってとこだな…」
「で…兄ちゃんこれからユリのことどうすんの?」
「さぁ…選ぶのはこいつだけど…」



そう言いながらも、蘭は内心、
全てが計画通りに行ったことに満足していた。



あとは自責の念に駆られたユリを漬け込んで、
囲えばいい。



2人はユリが目覚めるのを待った。

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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