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それからしばらく、2人からの連絡もなく、
麻布祭りの前日。



あの子たちは…2人の彼女?
確かめてしまうと終わる気がして、ユリから連絡はできなかった。



モヤモヤを忘れるために勉強していると、久しぶりに携帯が鳴った。



「元気してたぁ?」
「うん…蘭ちゃんも忙しかったの?」
「まぁ…とりあえずは落ち着いた」
「そっか…」
「で、明日だけど、麻布祭り、行くだろ?」
「え?私と?」
「他に誰と行くんだよ」
「えっ…でも…最近外出たがってなかったし…」
「あぁ、それはもういーの」
「でもわたし、もう友達と行く約束しちゃってて…」



いつもなら何が何でも俺を優先しろと喚く蘭が、
すんなりと答えた。



「んじゃ、向こうで合流な。
 俺のダチにも紹介すっから」



嬉しいような、少し怖いような気持ちで、
ユリは電話を切った。



―――――――――――――――――――――――――――――――



浴衣に着替え、メイクを施し、髪を巻いて、
ユリは友人たちと祭りへ向かった。


何時にどこでといった、具体的な約束をしていないのに、
どうやって待ち合わせるのかとふとユリは疑問に思ったが、
とりあえずは楽しむことに決めた。



そして20時を過ぎた頃…



通りの向こうが一際騒がしくなった。



人が割れるように道が出来ていく不良たちの行列…



そして、その先頭を歩いていたのが、蘭と竜胆だった。

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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