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翌朝、ユリが目覚めると、
珍しく蘭の方が先に起きて、こちらを見つめていた。
「おはよ」
「…いつから起きてたの？」
「あー仕事行きたくねぇ…」
と言いながら、蘭はユリをギュっと抱き寄せる。
「もう…朝ごはん作ってあげるから」
「仮病使おっかなぁ」
「ダメ」
ユリが朝食を作りにキッチンへ行くと、
竜胆が既に起きていた。
「兄ちゃんはいっつもいいとこ取りだよ…
ねぇちゃんもねぇちゃんだよ…」
と、昨夜1人にされたことに拗ねている。
「ゴメンね…」
美味しい朝ごはんでご機嫌直してくれる？」
「うん…」
3人で朝食を取り、嫌がる2人の着替えをさせ、
ユリは玄関まで2人を見送りに行った。
「それじゃあ…行ってらっしゃい」
「出来るだけ早く帰るから。
何かあったらすぐ電話して」
「気をつけてね」
行ってらっしゃいにしては長すぎるキスをする2人を、
少し羨ましげに見ながら、竜胆は鍵をロックした。
――――――――――――――――――――――――――
アジトへ行けば、いつもの面々が揃っていた。
「久しぶりだなぁクソ兄弟」
「休んだ分馬車馬んなって働けよなぁ」
俺、7徹目だぜ？とココは白目をむいている。
「で、今日の現場どこ？何時に終わんの？
つか、俺らいる？」
そう言いながらも結局、
2人は管轄の揉め事の処理に向かった。
―――――――――――――――――――――――――
一方のユリは2人がいない、だだっ広い空間で、
色々なことを考えていた。
自分の選んだ道を、お母さんは認めてくれるだろうか？
お父さんとはもう二度と会えないのだろうか？
サトシは…死んでしまったのだろうか？
蘭と竜胆が捕まることはないのだろうか？
だが、どんなに考えても、
蘭と別れて生きていくことは、
自分にはもうできないとも思った。
7時には帰ってきてくれるかな…と思いながら、
夕食の準備に取り掛かった。
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作者名：あたそ | 作成日時：2023年3月20日 23時
