Hope

７．ー藍sideー ページ8

大会は順調に進んで、女子は４連勝で最後の３連戦を迎えた。


Aはここまで全試合スタメン出場してる。
これってすごくない？


藍｢しかもサーブレシーブの成功率とディグの成功本数が８カ国中トップって……やっぱAすごっ｣

西田｢藍、なにニヤニヤだらしない顔してんの｣

藍｢えー？……あっ、有志くん。いやね、Aが凄いなって思って｣

西田｢あー、Aちゃんね！強烈スパイクもなんのその！打っても打っても拾うから、相手選手もだいぶいらついてたよなー｣


あの小さい体でよくやってるよ、という有志くんの言葉に、うんうんと大きくうなずく。


藍｢Aのいいところはそういうとこなんすよねぇ〜。ちっちゃくて可愛いのに、コートに立つと気迫がすごいっていうの？ギャップがありすぎて、きっと初めて見る人は驚くと思うんすよ｣

西田｢それ、藍のことだろ｣

藍｢え、なんで知ってるんすか。俺喋りましたっけ？｣

西田｢藍からは聞いてないけど、結構有名な話だよ｣


え、そうなの？
俺がAに好き好きアピールしてたって話。そんなに有名？


西田｢藍が高校１年生のAちゃんに一目惚れして大会のたびにしつこく後付けてた〜とか、春高のあとにアタックして秒殺だったとか、それでも諦めないしつこい男だったとか｣

藍｢まてまてまて！え、それ俺の印象めちゃくちゃ悪くないすか？｣

西田｢良くはないね。なかなかキモい男だと思うけど｣

藍｢待ってください。それは誤解です｣


Aに一目惚れしたのは本当だけど、後付けたりしてません。
アタックしたけど秒殺やないです。
諦められんかったけど、そんなにしつこくしてません。


そう説明するけど、有志くんは納得してなさそう。

こうなったら……


藍｢有志くんやって、奥さんに猛アタックしてキモがられてたって話やないですか｣

西田｢それは……いいんだよ！結果的にうまくいったから！｣


ほらこれ見て！と有志くんは左手の薬指に輝く指輪を見せてくる。


西田｢キモいって言われても、ちゃーんと俺の良さを分かってくれたから結果オーライなの！｣

藍｢じゃあ俺も結果オーライっすね｣


たしかに２年間振られまくったけど、今はラブラブだもんね。


藍｢ていうか……有志くんと俺って似た者同士？｣


好きな子にキモがられて拒否られて、でも結果的に結婚したり付き合ったりでうまくいってる。


西田｢藍と一緒なんていやだ｣


別れたら？なんて縁起でもないこと言わないでっ。

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