6. ページ7
《今日が代表デビュー戦となる桜井A、19歳!世界の大舞台でどんなプレーを見せてくれるのか!》
ワールドカップ初戦のペルー戦。
スタメンは慧美さんじゃなくて、私の名前があがった。
監督から「お前のちからを信じてる。思いっきりやってこい」と背中を押されて、今、憧れていた選手たちと同じコートに立っている。
どうしよう。
緊張で、体がフワフワしてる。足がちゃんと地面についていないような感覚。
落ち着け、冷静になれ……!
そう思えば思うほどうまくいかなくて、序盤ではサーブレシーブもセッターに返せない、ディグも弾いてしまって相手の得点に。
どうしよう。
どうしよう……!
相手チームがタイムアウトを要求して、私たちもベンチに下がる。
自分のプレーが不甲斐なくて、皆の顔を見ることが出来ない。
古賀「A」
「キャプテン……あの、」
古賀「デビューおめでと。大丈夫!動きは良くなってきてるよ。その調子!」
色々指摘されるかと思ってたから、予想外の褒め言葉に拍子抜け。
すると一緒にコートに立っていたみんなも、「コースに入れてるから上出来!」とか「ここからギアあげてこ!」と誰も私のミスを責める人はいなかった。
ローテーションの関係でベンチに下がったあと、真佑さんがそばに来て私の肩をポンポンと叩く。
真佑「緊張してたな〜(笑)」
「バレてますよね……。でもみんな、そのことを責めないんです。私がもっとちゃんとしてたら、相手に点を与えることもなかったのに」
真佑「A?バレーボールはチームでやるものだよ?A一人で試合してるわけじゃないの。誰かがうまくいかなかったら、そのぶんみんなでカバーする。それがチームってもんだよ」
「チーム……そうですよね。大事なこと、忘れてました。真佑さんありがとうございます」
真佑「いいってことよ。ほら、もうすぐ出番だよ。次は大丈夫だね?」
「はいっ」
ローテーションが変わって、二千華さんのかわりにコートに入る。
バレーボールはチームでやるもの。
みんなで力を合わせる。
真佑さんの一言で吹っ切れた。
大丈夫。
私はやれる!
《桜井拾った!相手の強烈なアタックをキレイにセッターに返しました!》
《桜井飛び込んだ!ボールはまだ生きてます!……入ったー!!》
無我夢中だった。
気づいたら試合は終わっていて、3−0で日本が勝った。
初めはどうなるかと思ったけど、試合終了後のみんなの笑顔を見て少しホッとした。
1294人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めー(プロフ) - たかみさん» 女子悔しかったですねー(>_<)少しの間、何も考えられませんでした·····。楽しみにしてくださってありがとうございます!藍くんとの絡み、もう少し増やしたいと思ってます(*^^*) (10月11日 12時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
たかみ(プロフ) - 女子悔しかったなとか色々思い出しちゃいました。。これからの藍くんとの絡み期待してます。更新楽しみにしてます! (10月11日 8時) (レス) @page13 id: 1bef4440db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めー | 作成日時:2023年10月10日 0時