３９．ー藍sideー ページ41
よかった。
まじでよかった……。
今日オリンピック出場を決められて、嬉しいのとホッとしてるのが半々くらい。
それはどの選手も同じみたい。
楽な戦いなんて無いからね。
しんどい思いもたくさんしてきて、自分たちで掴み取ったパリへの切符。
いろんな思いが込み上げてくるけど、興奮しすぎて頭ん中ぐちゃぐちゃやからとりあえず落ち着かな。
スーハースーハーと深呼吸をしてみるけど、そんなんで収まるはずもなく。
あれだ、有志くんのせいだ。
インタビューで急に俺に無茶振りしてくるから。
なかなか落ち着かれへんのは有志くんのせいってことにしとこ。
どーせホテルに帰ったってアドレナリン出まくって落ち着かないんやから、いまAに電話しちゃおっと。
すぐ近くに密着カメラおるけどいっか。
ビデオ通話をタップして、Aが出るのを待つ。
数秒コールしたあと、《は〜い》と可愛らしい声で登場したAに思わず顔がにやける。
藍｢A、おつかれー｣
《藍くん、試合お疲れさま。オリンピック出場決定おめでとう》
藍｢ちゃんと見とった？｣
《見てた見てた。１セット目取った時の藍くん、かっこよかったよ》
あとサービスエースもヤバかった。
でもやっぱり、今日はレセプションとディグの安定感が半端なかったね。あれは惚れるね。
とちょっと興奮気味に捲し立てるA。
藍｢そんなにちゃんと見ててくれたん？リベロのAからそこまで言われるなんてめっちゃ嬉しいわ。あ、ちなみに今となりに密着カメラおるよ｣
ほら、と撮影クルーにカメラを向けると、｢おつかれさまです｣と丁寧に頭を下げて挨拶するA。
そういうとこきっちりしてるのって好感持てるよね。
スタッフ｢試合後の藍選手からの言葉、聞きましたか？｣
あ、それ俺も気になってた。
有志くんがあんなノリで言ったから、逆に俺は真面目にいったろって思って超真剣に伝えたけど。
肝心なAが聞いてなかったら意味ないわ。
《聞きました！まさかああいう流れになるなんて思ってなかったのでびっくりしました。……でも嬉しかったです》
藍｢ほんまに？そんなら無茶振りにも応えた甲斐あったわ｣
有志くん、自分だけなんて悔しいとかいって俺のこと巻き添えにしたんだよ。と教えると、｢それにちゃんと付き合ってあげた藍くんは偉いね｣とお褒めの言葉をもらった。
やった〜。
Aに褒められたから、有志くんへの恨みはチャラにしよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めー(プロフ) - たかみさん» 女子悔しかったですねー(>_<)少しの間、何も考えられませんでした·····。楽しみにしてくださってありがとうございます！藍くんとの絡み、もう少し増やしたいと思ってます(*^^*) (10月11日 12時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
たかみ(プロフ) - 女子悔しかったなとか色々思い出しちゃいました。。これからの藍くんとの絡み期待してます。更新楽しみにしてます！ (10月11日 8時) (レス) @page13 id: 1bef4440db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めー | 作成日時：2023年10月10日 0時
