Hope

２２．《OQT男子第２戦．vsエジプト》 ページ24

｢……｣

二千華｢うーん…｣


第２戦のエジプト戦。
現地観戦は紗理那さんだけで、私は寮のテレビで応援。
今日は同じ日本代表として戦った二千華さんと一緒に観戦した。


１・２セット目を先取してあとひとつ！……ってところだったのだけど。

だんだん押され気味になって接戦になり、逆転されてセットカウント２−２。
またしてもファイナルセットまでもつれこむ展開に。

最後まで接戦だったのだけど、ミスが続いたりしてあと一歩届かずまさかの敗戦。


二千華｢ちょっと、攻守ともに噛み合ってない感あったね｣


石川選手もハマってなさそうに見えた、という二千華さんの言葉に、｢そうですね……｣と返すのが精一杯だった。

ランキングだけで見ると格下だけど、だからといって甘く見ていたら足元を掬われる。
強烈なサーブに苦しめられて、なかなか攻撃を組み立てられなかった龍神NIPPON。

セッターの関田さんの苦しそうな表情が、とても印象的だった。


藍くんも下を向いちゃった。
攻守ともにチームの要となる位置にいる藍くん。自分でも試合中の自分の役割を分かっていて、だからこそこの結果に落胆してるんだろうな。


｢こんな、敗戦後の表情を見るのもつらいですね｣

二千華｢ブラジル戦のあとのAもこんな感じだったよ。いや、もっと酷かったかも｣

｢え、そうですか？｣

二千華｢あの落胆ぶりは、見てるこっちも胸が痛かったんだよ。可哀想過ぎて声かけられなくて。でもそこはキャプテンの紗理那さんが行ってくれて良かった｣

｢あの時は本当に絶望したんですよ。ここで絶対パリ行きを決める！って信じて疑いませんでしたから。でもまだ終わったわけじゃないよ！ってみんなに喝を入れられて、そうだ、まだあきらめるのは早い！って切り替えられたんです｣

二千華｢それって彼氏も入ってるの？｣

｢えっ！藍くんですか？｣


いきなり藍くんの話題になって、勢いよく二千華さんを振り返る。


二千華｢反応早っ(笑)さすが春高でベストリベロ賞とっただけあるね。で？彼氏は慰めてくれたの？それとも喝を入れられたの？｣

｢藍くんは〜……かっこよかった、って言ってました｣

二千華｢そうなん？てっきりラブラブ甘々な言葉で慰めてもらったのかと思ったのに〜｣

｢バレーボールのこととなると、藍くんはそんなに甘くはならないですよ。辛口でもないですけど｣

二千華｢とにかく褒めてくれるんでしょ？｣


二千華さん、あのインタビュー見てたんですか……！

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