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インタビューが終わって選手がコートからはけたあと、紗理那さんと一緒にみんなの元へ向かった。
騒がしくスタッフが行き交う通路を、関係者パスを下げて紗理那さんと歩く。
すると協会のスタッフらしき人が私たちに気づいて、みんなのところへ案内してくれた。
紗理那さんはスタスタとついていってるけど、私は緊張してきて足が止まってしまった。
古賀「Aー?どした?」
「ちょっと、緊張して……」
そういうと、紗理那さんは一瞬沈黙して、かと思えば急に笑い出した。
古賀「えー(笑)Aなんで緊張してるの?」
「だって!藍くんと顔を合わせるの久しぶりだし、他の選手もいるし、なんならテレビカメラもいるじゃないですか」
恥ずかしくてこれ以上は、と言いかけた時、「A!」と名前を呼ばれた。
大好きな、藍くんの声。
顔をあげると、藍くんが小走りでこっちに向かってやってくる。
どうしよ。藍くんのほうから来るとか想定外。
ほら、気づいたテレビカメラの人がこちにカメラ向けてるし!これ、バッチリ撮られてるってことだよね?
藍「Aなんでそんなとこで止まってんの?こっち来なよ」
みんなおるよ?と私の手を取って歩き出す藍くん。
わ、ばっちりカメラに抜かれてる!
「ね、藍くん。あのカメラって……」
藍「んー?ああ、あれ?俺らの密着カメラやって。女子にもおらんかった?」
そういえばいたような……?
もしかして、パリの切符を取れなかったからお蔵入りになったのかな。
藍「わ!Aの手!これ爪の痕?赤くなってるよ?」
「え?ああ……祈るようにギュってして試合見てたから」
手の甲についた赤い痕を見て、藍くんが「いたそー」なんて言いながら優しく撫でてくれる。
藍「ごめんな。こんな力込めて手握らせるほど不安定な試合して」
「えー、そんなのいいよ。たぶんどの試合を見てもこうなるから」
藍くんがかっこよすぎて。
っていうのはカメラの前だと恥ずかしいから内緒にしておくね。
藍「A、顔の傷大丈夫?唇も」
「大丈夫だよ。もうほとんど治ってる」
藍「よかった。あれ見た時、心臓止まるかと思ったんやから」
なんともなくて良かったわ、と頭を撫でてくれる藍くんの手は大きくて温かい。
戦う男の人の手だけど、優しくて包み込むような安心感があって大好き。
久しぶりの再会で幸せに浸っていると、カメラマンの「ツーショットください!」という声で一気に現実に引き戻されちゃった。
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めー(プロフ) - たかみさん» 女子悔しかったですねー(>_<)少しの間、何も考えられませんでした·····。楽しみにしてくださってありがとうございます!藍くんとの絡み、もう少し増やしたいと思ってます(*^^*) (10月11日 12時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
たかみ(プロフ) - 女子悔しかったなとか色々思い出しちゃいました。。これからの藍くんとの絡み期待してます。更新楽しみにしてます! (10月11日 8時) (レス) @page13 id: 1bef4440db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めー | 作成日時:2023年10月10日 0時