１１． ページ12
宿舎に着いて簡単なミーティングをやった後、部屋に戻ると自分のベッドに倒れ込んだ。
紗理那さん以外にもみんな、私のことを責めなかった。
逆に｢私たちが点を決められなくてごめん｣｢Aが繋いでくれたボールを活かせなくてごめん｣と謝られてしまった。
真佑さんからは｢まだ全て終わったわけじゃないよ。泣くのはパリ行きを決めてからにしな！｣と喝を入れられて、真佑さんの言う通りだなって思った。
そのおかげで、気持ちも少しずつ落ち着いてきて、前を向ける気がしてきた。
まだ完全に終わったわけじゃないんだ。
パリへの道はまだ残ってる。
諦めないで、もっともっとうまくなって世界に通用する選手になろう。
グルグルといろんなことを考えていると、コンコンとドアをノックする音がした。
誰かな？
ルームメイトの由紀子さんだったらそのまま入ってくるはずだけど……
古賀｢Aー。紗理那だけど。入ってもいい？｣
｢えっ！紗理奈さん？！いま開けます！｣
ガチャ、とロックを外してドアを開けると、｢やっほー｣と微笑む天使のようなキャプテン。
手には救急箱を持っている。
｢どうしたんですか？｣
古賀｢んー？Aの傷の手当！ちゃんと手当しないと傷痕残っちゃうでしょ？｣
｢ありがとうございます。でも自分でも出来るのに……｣
古賀｢細かいことは気にしない！……なんて。本当はAの様子が心配だったから見に来た｣
｢あー……試合後の私、すごく情けなかったですよね。でも大丈夫です。真佑さんからも喝を入れてもらったし、皆さんからもあったかい言葉をもらったので｣
古賀｢そ？なら良かった。あのね……有くん、私の夫がね、電話くれたんだ｣
｢へぇ……。愛されてますね｣
古賀｢それがね、違うの。私じゃなくて、Aと藍くんのこと心配してた｣
｢えっ。藍くん、ですか？｣
紗理奈さんはなにか思い出したのか、フフッと笑いながら私のほっぺたの絆創膏を貼り替える。
古賀｢『藍がAちゃんの落ち込みようを見てめっちゃ心配しとるんやけどどうしたらええ？』って｣
｢えー……藍くんが｣
普段はお調子者っぽいところもあるけど、とっても相手を思いやれる人だし、いつも私のことも気にかけてくれてる藍くん。
古賀｢Aも愛されてるね。あとで電話してみたら？｣
｢そうですね……紗理那さん、ありがとうございます｣
古賀｢可愛い後輩と、夫の仲間のためならお安い御用だよ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めー(プロフ) - たかみさん» 女子悔しかったですねー(>_<)少しの間、何も考えられませんでした·····。楽しみにしてくださってありがとうございます！藍くんとの絡み、もう少し増やしたいと思ってます(*^^*) (10月11日 12時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
たかみ(プロフ) - 女子悔しかったなとか色々思い出しちゃいました。。これからの藍くんとの絡み期待してます。更新楽しみにしてます！ (10月11日 8時) (レス) @page13 id: 1bef4440db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めー | 作成日時：2023年10月10日 0時
