10.ー藍sideー ページ11
藍「……」
何も言えんかった。
あんなAの姿を見たら、軽々しく「頑張った」とか「よくやった」なんて言えんかった。
全身から悔しさが伝わって来るよ、A。
キャプテンに支えられてコートを後にするAを見て、なんだかこっちも泣きそうになる。
石川「これは……ちょっと、予想してなかった展開だったな……」
西田「Aちゃん、かなりショック受けてたっぽいな……」
藍「いやー……」
これにはほかの代表メンバーも多くを語らない。
俺や有志くん、そして祐希さんに気を使ってるのが手に取るようにわかる。
関田「藍の彼女、めちゃくちゃ頑張ってたよな。デビューしたてにしては上出来だよ」
山本「同じリベロとしてちょっと嫉妬するくらい良い動きしてたと思うよ」
西田「でもあの様子だと、すごく責任感じてそうな落ち込みようですよね」
みんながAのことを褒めてくれるなかで、有志くんが画面を見つめながらポツリとつぶやく。
藍「Aはめちゃくちゃ真面目だし責任感も強い子やから、落ち込みは激しいと思いますね……。しかも自己肯定感ちょっと低くて。『私なんか』とかよく言ってるから、あんま自分のこと責めすぎてないか……ちょっと心配っすね」
本気でAのことが心配で出た言葉。
なのにみんなからは反応がなんにも返ってこない。
藍「え?なに……?」
どうしたんかとみんなの方を見ると、みんなして俺をじーっと見てる。
なんなん(笑)
大塚「藍がめずらしく真面目や」
石川「っていうか今のはただのノロケだろ」
西田「俺は彼女のことよーく知ってるぜアピールかい」
藍「え?……えっ?」
西田「涼しい顔してのろけてんじゃねーっつうの!真面目に聞いて損したー!」
有志くんがそう言ってウーンと伸びをすると、さっきまでの緊張感が嘘のようにゆる〜い空気になった。
藍「いや、俺超まじめに喋ってたんやけど……」
西田「いーや。あれはノロケだわ。言っとくけどな、俺の奥さんだってちょーーーー頑張ってるからな?!キャプテンとしていろんなもん背負って、チームまとめるために頑張ってるんやぞ!」
藍「そんなんとっくに知ってますー」
石川「ハイハイ。彼女と奥さんの自慢はもうやめ!有志も藍も、ちゃんとねぎらいの声掛けてやれよ?」
藍・西田「「そういう祐希さんはどうなんすか?」」
石川「ハモんなよ(笑)」
俺は電話するよ、という祐希さん。
相変わらず仲良し兄妹なんやなー。
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めー(プロフ) - たかみさん» 女子悔しかったですねー(>_<)少しの間、何も考えられませんでした·····。楽しみにしてくださってありがとうございます!藍くんとの絡み、もう少し増やしたいと思ってます(*^^*) (10月11日 12時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
たかみ(プロフ) - 女子悔しかったなとか色々思い出しちゃいました。。これからの藍くんとの絡み期待してます。更新楽しみにしてます! (10月11日 8時) (レス) @page13 id: 1bef4440db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めー | 作成日時:2023年10月10日 0時