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37 ジコ ページ37

マンションの廊下の角を曲がったところで、バッタリ。目の前に知らない女。ぶつかりそうになる。

『!』

「すみません」

そう言って顔をあげたその女は、目ん玉落ちるんじゃねぇのって位目を見開いてフリーズした。
目線があまり変わらない。背が高い。
あ。ペンかな。やべ。
そう思ってサングラスの位置を直して歩き出す。

エレベーターに乗り込むときに、チラッと振り返るとまだそこに突っ立ったまま。
そんなに驚いた?フッと笑いがこみあげた。


『引っ越ししてきたらしい〜』
『可愛い子だよ』
『えー。俺も会いたい』

何日か経った後、キョンたちがそんな話をしてる。

『誰?』
冷蔵庫から水を取り出しながら話に加わる。

『最近この階に引っ越してきた女の人がいるんです!』
ピオが言う。
『めっちゃ可愛かったですよ!』

『背の高い?』

『お!ヒョンも知ってるんですか!さすが早いな』

『この前廊下でぶつかりかけた』

『モデルさんなのかな〜?』

『背が高いの?』

なんて言いながらキョンが少し落ち込んでいる。
もう一口水を飲んで冷蔵庫に戻す。


それからまた違う日。
夜に1人でフードを被ってエレベーターホールまで向かっていると、またあの角で女と会う。

『うわっ』

「ごめんなさい。あっ」

仕事帰りなのかスーツ姿のこの前の女。
長い足がタイトスカートから伸びている。
OLか。ピオに教えてやろう。
確かにキレイな顔をしてる。
そう思って頭を軽く下げて歩き出す。

エレベーターに乗り込む時にまた振り返ると、こっちをみていてニコッと微笑んだ。

ドアが閉まりながら、女から目が離せず胸を揺さぶられた。
なんだ。今の。


また違う日。今度は俺が部屋に向かって歩いていると、向こうからあの女が歩いてくるのが見えた。
今日はぶつからないように、目も合わさないように歩いてたのに。すれ違いかけると、

「こんばんは」

そう言うから顔を上げる。
前髪は短いがキレイにカールした長い髪。
デートなのか、キレイに着飾っていて思わずつばをのむ。
最初の頃の印象とだいぶ違う。確かにあいつらの言う通り可愛い。むしろキレイだ。


『あぁ。こんばんは』

表情を変えずに挨拶。

「よく会いますね」

そう言って笑う。ドクン
また胸が変な音を立てる。

「ジコさん...ですよね?」

〜♪

その時女の携帯が鳴る。

「あっ、ちょっとすいません」
「もしもし?オッパ?うん。もう降りる。待ってて」

そう言うと俺の手を取る。
えっ?

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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

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