36 パッキョン ページ36
「きゃー！！」
「キョンちゃ〜ん！」
「かっこいい！」
「可愛い！！」
今日のキョンはご機嫌だ。歌番組の収録で一番人気だったから。顔がにやけている。
『今日は俺が一番だった！』
『俺って最高！』
そう言って嬉しそうにしてる。
ただ首からは指輪を通したネックレスをあれからずっとしてて、外しているのを見たことがない。
『なんだよ〜ヒョン。見つめて。俺カッコイイ？』
テンションが上がりきっててウザいな。
『キョンア、うるさい』
スマホをいじり、苦笑いしながら答えてやる。
『Aのこと。どうするんだ？』
キョンの動きが一瞬止まる。
ジコ、ユグ、ピオもこっちを見る。
『どうって？』
鏡を覗き込みながら言う。
『このままでいいのか？』
『...いいんじゃない？』
『キョンア、正直になれよ』
『正直に言ってるよ！』
ネックレスが揺れる。
『好きなんだろ？』
『好きだけど...』
ソファーに座り頭を抱えてる。
『好きだよ。俺はAが好きなんだよ。ほんとにあの時はどうかしてた。俺』
『調子に乗ってた？』
ジコが言葉を引き取る。
顔を上げたキョンは本当に辛そうだ。
『Aは何があっても離れていかなかったし、大丈夫だろうって思ってた。バレなきゃいいかって』
『それは最低だよ』
ユグォンから厳しい言葉が出る。
『あぁ。そうだな...』
『ヒョン、Aはいつもキョンヒョンの事話してたんですよ。嬉しそうにして。あの日だって遅くまで待ってた』
『やり直せるなら、やり直したい』
頭を下げたままのキョン。
泣いてる。
『ほんとに俺が悪かったんだ』
『...会いたい』
肩に手を置いて隣にジコが座る。
キョンが本当に後悔してるのはみんな分かってる。
浮気なんてしたことがなかったはずだ。
それに、ここ最近のキョンはひどい。
1人でぼーっとする時間が多いし。
目の下にクマも出来ているようだ。
反省するのは勿論大事だ。
なにより傷ついてるのはAだろうから。
謝って許してもらえるか分からないけど。
でもこのままじゃいけない。
みんなそう思ってる。
スマホを持って席を立つ。
ジコとキョンの前に立ってスマホをスピーカーにする。
『で？どうする？』
電話の向こうからも泣き声。
「....会いたい...」
振り絞るような小さな声。
だけど楽屋中に響いた。
『A？...』
「キョン...会いたいよ」
『ほら。泣かせてばっかりいるなよ』
立ち上がり駆け出して行くキョンを、みんなが見守っている。
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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (
レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました！更新まってます！ (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2016年8月17日 0時
