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35 パッキョン ページ35

バチーン!
「キョンのバカ!最低!」

ガタガタっと大きな音がしたかと思うと、キョンの部屋からAが飛び出してきた。

リビングにいた、俺。ユグ、ピオも物音に驚いて目を丸くしてる。

『A?どうしたんだよ?』

バッグを持って足早に歩くAを止める。
やべっ。
顔を覗き込んだらボロボロ泣いてる。
泣くのを我慢してるのか手は握りこぶしで震えている。

『A?大丈夫?』
ユグもそばに来て背中をさすってる。
ミニョクヒョンとピオは心配そうな顔。

部屋から頬を押さえたキョンが出てきた。
『痛ぇ』
『もー!A待ってよ!冗談だってば!』

なぜかこっちは笑ってる。

『泣いてるぞ』
『泣かなくったっていいのに!A!ほら。みんな心配してるから。部屋に戻ろう?』

そう言ってAの手を取るが振り払われてしまう。

「いや」
声が震えている。
「冗談ってなによ...」
『え?』
「なにが冗談よ!冗談なら何してもいいってわけ?!モデルと一晩一緒にホテルで過ごしていいってわけ?!」

叫ぶAの言葉にみんなの血の気が引いた気がした。
『キョンヒョン...』
ピオが呟いてる。

「うっ...もう嫌。浮気もそう、嘘つかれるのもそう、ふざけるものそう。キョンなんて...」
涙を拭いながらもこっちを振り返らない。

『A落ち着いて』
『ほら、一回座れよ』
『何か飲み物入れますよ』

その言葉の先を誰もが聞きたくなくて、多分みんな予想してて、そしてその通りで。

『A、ごめんねってば。もうしないからさ』

Aが振り返る。
涙で顔も髪もぐちゃぐちゃだ。

「キョンなんて大嫌い!もう別れる!もう来ない!さようなら!」

『A、そんなこと言わないでよ』

手を取ろうとするがまた振り払われてしまう。

「触らないで!近づかないで!」

バタバタと玄関まで走っていってしまった。

『A!』

慌ててユグが追いかけてる。
おい、それは誰の仕事だ。

『キョン。ほら』

立ち尽くすキョンの背中を押す。

『行っちまうぞ』

キョンの足は動かない。玄関で声がする。

『キョン!』

『あー』
頭をかきながら少し笑ってる。

『また戻ってくるって』
『心配ないって』

バタン
扉の閉まる音がしてユグが戻ってくる。

『Aが...』

そう言って何かを差し出す。
キョンの手に置かれたもの、それは指輪だった。


『ハハッ。今だけだよ』


それを握りしめて俯くキョン。

しばらく誰も声を出せなかった。

36 パッキョン→←34 ユグォン



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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

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