18 テイル ページ18
友達と初めてきたクラブ。
韓国じゃ1、2を争う人気なお店らしい。
「うわぁ」
正直、人混みもこんな大きな音楽も好きじゃない。
友達のサリの付き添いで今日はきた。
なんでも好きなアイドルがDJをするとか。
だからこんなに人が多いのかな?
「あー!やっばい!もうすぐ始まるの!前行ってきてもいい?1人で大丈夫?!」
「いいよー。楽しんできて」
サリはガッツポーズをして人混みの中に消えた。
私はお酒をオーダー。
空いていたカウンターに座る。
それにしてもこんなに大勢の人どこから集まったの?
わあっ!
一際大きな歓声と共に音楽もフルボリューム。
あまり興味のない私は前を向いてお酒を楽しむ。
2つ席を空けたカウンターに1人の男の人が座る。腕はタトゥーだらけ。アクセサリーはスカルだらけ。黒いマスクをつけているし。丸いメガネをかけてる。
あ、やばい人だ。と認識。
目を合わせないようにしよう。
聞こえてくる音楽意外と好きかも。
リズムに合わせて少し体を動かす。
『この曲いいよね』
あどけない可愛い話し方。声も高い。
声をした方をみるとあの、タトゥースカル男子。
「そうですね」
『DJしてるの俺の弟なんだ』
「へー、弟さんなんですか」
『この曲を作ったのもね』
「へー」
あまり興味ない、そういった風にお酒を飲む。
弟?
「友達が今日のDJはアイドルなんだって聞きました。鼻が高いですね」
『あはっ。まぁね。』
うえっ。なにこの人。笑顔が可愛すぎる。
見た目と話し方と笑顔のギャップがやばすぎる。
『1人なの?』
「いえ、あの先頭の方に友達がいます」
そう言って集団をあごでさす。
「なにかありましたか?」
こう言うのは苦手。だから早めに会話を切り上げてしまいたい。
『何もないけどね。こんなにうるさいの嫌なんだ』
「まぁそれは分かります」
『ね、いまから2人で抜けようよ』
目を丸くしてその人を見つめる。
はぁ?何言ってんのこの人は。
「いえ、結構です」
お酒のおかわりを頼む。
「どこの誰か分からない人は嫌なんで」
男の人が下を向いてマスクをいじってる。
『あー。僕はイ・テイルです』
『わかる?』
「なにが?」
彼がクスクス笑って咳きばらいを、1つ。
『一応僕もアイドルなんだけど』
「えっ?!あなたも?」
その腕で?という言葉は飲み込む。
『そうだよ』
『ね、だから誰にも気づかれてないうちに!ほら!』
背が低いんだ。
私の手を掴んで走る彼をみてそう思った。
60人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時