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47 ピオ ページ47

仕事が早く終わり、マンションのエントランスに足を踏み入れる。
時計を確認すると、時刻はまだ19時を過ぎたところ。
びっくりするだろうな〜。
そう思って連絡は入れていない。

鍵を開けてドアを開ける。

『ただいま!』

「え〜!嘘!早い〜!」

キッチンの方から声がする。
靴を脱いでいると、パタパタと音がしてリビングからAが出てくる。

「わ〜!おかえり!ジフンちゃん会いたかった〜!」

最近お気に入りだと言うadidasのカラフルなセットアップを着て、惜しげもなく足を出してる。

『びっくりした?』
Aを抱きとめながら聞く。

「すっごいびっくりした〜!嬉しい〜!」

そう言ってピョンピョン跳ねてる。
長い髪をツインテールに結んでいる。
初めて出会ったあの夜よりメイクも薄い。
赤いリップなんて勿論塗ってない。
でもあの時よりずっと、キレイで可愛いんだ。

俺にぴったりくっついてリビングへ向かう。

「ジフンちゃん!」

『ん?』

「先にお風呂入る?」

ほら。またそれ。Aのクセなんだ。
甘える時に目をじっと見つめるのは。

『一緒に入る〜!!』

そう言ってふざけてAをお姫様抱っこする。
きゃーきゃー言って笑ってるA。

あの日のAと全然違うからみんな驚いた?
でもこれがほんとのA。
とびっきり恥ずかしがりで、クールで、気が強い。自分のものにすると思ったものは逃さない。
自分で言うのもなんだけど、まさに俺がそうだった。
そして可愛いんだ。


『ね、なんで俺がよかったんだっけ?』

「忘れちゃったー!」

『俺の年知ってたのなんでだっけ?』

「忘れちゃったー!」

「もー!ジフンちゃんの意地悪! 」

ケラケラ笑いながらもほっぺを膨らませるから、チュッとキスをする。

『オッパが脱がせてあげる〜』

そう言って服に手を伸ばすと、照れたように笑うAが俺のベルトに手をかけて。

「これ外そうね」

そう言ってしゃがんでカチャカチャ、ベルトを外すから。
分かっててわざと上目遣いで見てくるから。


あ〜〜!!だめだめ、これ以上は言えない。
これ以上は言えないけど。
にやける顔が止まらなかった。


「ジフンちゃん」

Aが髪をまとめながら振り返る。

『ん?』

「ジフンちゃんの得意な運動ってなんだっけ?」

『なに、忘れちゃった?』

「ふふふ、忘れちゃった」

『そんな事言えないようにしてやる』


ほら、こっちおいで。


ぴょんっと跳ねて抱きついてくる君がすごく愛しい。

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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

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