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46 ピオ ページ46

落ち着かない。
初めて会った君が隣に座ってるだけで。
太腿が触れ合うほど近くにいるから。
俺のこのドキドキが聞こえてるんじゃないかと思うほどだ。
最近染めた白髪をなんとなしに触る。

「キレイ」

耳に唇が触れそうな近さでそう言う。
俺の髪を触ってる。

〜〜〜〜〜っ!

だめだめだめ。なんでこんないちいちセクシーなんだ。これで年下?どうなってる。
このまま、ここに座ってたらおかしくなりそうだ。
パッと立ち上がる。

『ちょっとトイレに行ってきます〜アハ〜』

なんとか誤魔化して部屋を出る。
その時も俺の目にしっかり飛び込んでくる視線。


『はぁ』

口から出るため息。壁にもたれかかる。

『あれはずるい』

触れ合っていた半身が熱を持っているように熱い。触られた髪がそこだけ熱い。

「ねぇ」

バッと顔を上げるといつの間にかそこにAが立ってた。手にはシャンパンを持ってる。

『あー、どうしました?』

目を合わせられない。
髪をかきあげなら聞く。
立ち上がってみると俺の肩くらいの身長。

パシャッ

床に流れるシャンパン。


見るとAが自分で自分にシャンパンをかけたようだ。胸元から雫が服をつたっていく。

『あぁ!なにしてるんだよ!』

慌ててハンカチを取り出して拭こうとすると、その手をまた掴まれて。

「こんな濡れた服じゃここにいれない。帰るしかないね?」

ゴクリ。唾を飲み込む。

「連れて帰って」

頭を少し傾げて俺の目を見てそう言うから。
シャンパンで濡れた首元がキレイで、
俺をずっと煽るから。
我慢の限界。

掴まれた手を引っ張って、俺の胸の中に。
Aの手からシャンパングラスが音を立てて落ちる。
顎をつかんで上を向かせてると、またぶつかる視線。

『見過ぎ』

そう呟いて唇に噛み付く。
だめだ。止められない。
Aを壁に押し付けると、俺の靴の下でパキッとガラスを踏んだ音がした。

「やめないで」

そう言われてAが俺の口に吸い付く。
誰が止めるか。

『俺の事...知ってるの?』

キスの間に聞く。

「知ってる...」

「アイドルの人...でしょ?」

一瞬キスが止まる。
ぶつかる視線。
口が笑ってる。

『それ知ってるって言わないよ』

「じゃあ知らない」

吐息がぶつかり合う距離で話す。

「私に教えて?」



唇から離れられない俺を誰か止めてくれ。

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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

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