24 ピオ ページ24
あれ？
そう思って食い入るように見入る。
いや、でもまさか。
あのジフンが？
アップテンポの曲になり歓声がボリュームを上げる。ステージの上の二人もテンションが上がっているよう。
お客さんを煽りながらこちらに歩いてくる。
ドキドキドキ
歌っている姿から目が離せない。
一番近いところで止まり歌声を響かせる。
その時ステージの男性とばっちり目があう。
サングラス越しだけど私を見てるのがわかる。
今日のバイト言うのは名ばかりで、ライブハウスに出演させてもらう日。
ミノと2人ライブハウスに向かう。
今日はあんまりAに会えなかったな。
帰りもすぐに帰ってしまったし。
物足りない。
今は何してるんだろう。
そう思いながらも、準備に集中する。
ステージが始まる。
音の洪水。体の中から溢れるものをすべて出す。
あぁ、やっぱりこの瞬間が最高だ。
楽しい！
お客さんもすごくのってくれてる。
ステージの端までいってお客さんを煽る。
するとパッと目を引く女の人がいる。
自分の目を疑う。
時が止まったみたいに周りの音が消える。
A？！
嘘だろ。なんでこんなとこに。
声には出さなかったけど、2、3秒遅れた。
俺って気づいてる？だからあんなに見てた？
あぁ、なんでこんなとこに。
まさか1人じゃないよな。
汗だくになりステージから降りる。
『おい、ジフンなにかあった？』
タオルで汗をぬぐいながらミノが言う。
『え、あ。あぁ』
ステージの袖から客席を見渡す。
いない。帰ったのか？
その時、こうなることを心配していた事態が目にとびこんできた。
Aのそばに誰か知らない男がいる。
Aの仕草からみても知り合いではなさそう。
はぁ。やめろよ。それ以上近づくなよ。
そう思いながら飛び出したい衝動を抑える。
『ジフン？』
ミノの声も届かない。
ステージでかいた汗とは別の汗が流れるのを感じる。
その時、その男の腕がAの肩にまわる。
あぁ、もうだめだ。
『おい！』
気がつけば飛び出していた。
ステージからおりたまんまの姿で。
Aしか俺の目にはうつらない。
その肩に触れていいのは俺だけだ。
その目にうつるのは俺だけだ。
『A！』
男をAから引き離す。
「えっ？」
『なにやってんだよ！』
「なんだよ。なんもねーよ」
俺の剣幕に驚いたように男は離れていく。
「ジ、ジフン？」
Aが俺の名前を呼ぶ。
『お前はなんで1人でこんなとこ来てるんだよ！このバカ！』
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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (
レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました！更新まってます！ (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2016年8月17日 0時
