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向上心【芥川龍之介】 ページ18

芥川と夢主は恋人で、夢主は太宰さんの妹設定です。カレー変換諦めました。
リクエストありがとうございます
夢主の家。

Side 芥川


トントントン、という小気味良いリズムが静かなキッチンに響いた。
湯気を立てている鍋からは美味しそうな匂いが鼻腔を擽る。
エプロン姿でキッチンに立つAの姿はとても愛らしい。
というか新婚感があってたまらん。新妻か…尊い。

「何を作っている」

しばらくAの姿を堪能する手もあったのだが、我慢できずに思わず近くに行ってしまう。

「カレーです」

「む、Aが作る料理はいつもカレーだな」

かれこれ4回目、全部カレーである。

「美味しく作る自信あるの、カレーだけなので…」

照れ臭そうにAは俯いた。
可愛すぎてしんどい。思わずAを後ろから抱きしめてしまう。

「ちょ、あ…危ないです!今包丁使ってるんで!」

慌てて包丁を置くA。
耳が赤く染まっている。Aの香りがふわりと広がる。

「構わぬ、料理を続けたらいい」

「だから、包丁使ってるんで危ないんですって」

…確かにAが指を切ってしまってはいけない。
ガラ空きの頸に軽くキスをして、僕は渋々Aから離れた。

「………っ」


頸を手で抑えて先程よりも赤く熟れたAはズルズルとしゃがみ込んだ。



「あんまり私の妹を虐めないでくれるかな?」

リビングから声が聞こえた。またか。いつの間に入ってきたのだろう。

「…太宰さん」

「芥川君が一線を踏み越え無いように見張るのが私の役目だよ」

「お兄ちゃん…」

いくら敬愛する師と雖も、今の僕にとって太宰さんは邪魔以外の何者でもない。

「お引き取り願います」

貴重なお家デートを邪魔する者は太宰さんであっても制裁を下す。

「やだ」

「帰って、お兄ちゃん」

「やだよーお腹すいたー」

バタバタと駄々を捏ねる太宰さん。
探偵社に入ってこの人の威厳は失われた。

「ご飯一緒に食べようよ、そしたら帰るからさ」

さっき川で泳いできたばっかりで腹ペコなんだよ、と整った顔で言う太宰さんのお腹が鳴った。

向上心(2)→←可愛いは要らない【江戸川乱歩】



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赤羽 - 最高!続きいつまでも待ってます、、二千年後も (2月23日 17時) (レス) @page25 id: 462520c403 (このIDを非表示/違反報告)
りお - 加藤めっちゃ人気やな…良かったな加藤☆ (6月13日 20時) (レス) @page25 id: 277740fe28 (このIDを非表示/違反報告)
るりら - 最高 (2022年12月25日 16時) (レス) @page7 id: db0aaa71fc (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 加藤ー!安吾よ。((後何言うんだっけ?あれ? (2022年3月10日 21時) (レス) @page25 id: e165a9ec89 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花 - 推していても推していなくても、全てのキャラがかっこいい…素敵な作品、ありがとうございます! (2022年1月22日 13時) (レス) @page25 id: 4b25a88413 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぐれった | 作成日時:2019年7月7日 14時

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