【文スト】中二病、名探偵に気に入られたってよ

拾仇 ページ23

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乱歩「先ずね、断言しよう。此トリックは単純明確、とても簡単。難しく考えるから解んないんだよ。頭がお堅いねぇ」



近くに有った机に乗り、座り乍云う



乱歩「用意する物は糸とセロハンテープ、其れだけで密室のなんて簡単に作れる。先ず糸を鍵の回す部分、あぁ、うん、そこに巻き、滑らない様にする為にセロハンテープを貼る。そして糸をドアの下から通して外に出す。そして後は自分が外にでて糸を引っ張る。そしたら鍵は閉まって糸も回収」



鍵のサムターン部分を指差し乍云う


志羽「然し、セロハンテープは？指紋がないのは？」



乱歩「其れも簡単。セロハンテープは第一発見者となり、扉を蹴り破ったりでもして、サムターンに付いたセロハンテープを剥がす。指紋なんて物は手袋さえしてれば付かない。ね？簡単でしょ？」



異能力を使う迄もない、と云い乍足をばたつかせる



志羽「では、動機は何なんですか？此方はとても優秀な方だったらしいですよ？」



乱歩「其れはね、此人が優秀過ぎたから。犯人は彼女さんが居たんだろうね。其の彼女さんが此人に取られちゃった。其れに怒り狂った犯人は、後の事等考えずに此人を殺した。......ね？そうでしょ？


志羽さん？」



乱歩が志羽の名を呼ぶと、周りの者が一斉に志羽の方を見る


志羽「わ、私がやった証拠はないでしょう？云い掛かりは辞めて下さい」


少し怒った様に乱歩に云う




乱歩「証拠ならあるよ、ほら、余程急いでいたんだろうね、ほら、サムターンにセロハンテープの取り残しがあるよね？A」



「うむ。之だな」


乱歩に促されAが手に持っていたのはセロハンテープ



志羽「う、嘘だ！其のセロハンテープは全て回収した筈......！」


乱歩「うん、嘘だよ。ベタに引っ掛かってくれたね」


怒鳴った志羽に笑顔で答える



志羽「......嗚呼、そう、私がやったね...もういいや、でも、全て彼奴が悪い...！私の愛する恋人を奪い、彼女は私を振り、彼奴の許へと去って行った......」



膝を付き、力無く自嘲気味に笑う



志羽「だけど......、あんたの所為で、働き口も失くした...あんたが暴かなければ、邪魔者は居なくなり、上手く行っていた......！どうせ捕まるのなら...あんたも殺す！」


志羽は豹変して乱歩に襲い掛かるべく突進する

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