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じゅう ページ10

「荒覇吐はちゅーやさんで、この身体は、荒覇吐の、一部?」

「そう言う事になるね」

「じゃあ、この身体、あげる。
好きに、使って」

「なっ!?」
「おやおや」

少女の告白とも取れる過激な発言に顔を真っ赤にする中也。
驚いた顔をした後に微笑む森。

「森さん入るよ…って何この空気?なんで中也は赤面してるの?気持ち悪いんだけど」

「っるせえクソ鯖!!どっか行けよ!」

「なんで僕が行かなきゃならないのさ。そっちこそどっか行きなよ」

太宰が入ってきてからギャーギャー喧しくなってしまった首領執務室。

「さてAちゃん。紹介しよう、この子はエリスちゃん。お揃いのこの洋服着てみない?似合うと思うんだけど」

「私エリス!宜しくね」

「髪の毛、きらきら、すてき」

「まぁ!ありがとう!」
その場で抱き合う幼女たちを写真に収める森。
今にも殴り合いの喧嘩をしそうな少年2人。

服を脱ぎ出して着替えを始めた少女と、それをカメラからガードする金糸の髪の少女。

カオスである。

「何やってるんですかエリス嬢!?」

「中也もお着替え手伝う?」

「え、いや、俺は」

「ところで太宰くんはどうして来たの?」

「その子の事でまた新たな報告があって来たんです」

「また…?」

「そうだよ。どこかの馬鹿犬が遊んでる間、ぼくは仕事してたの」

「ご苦労だったね太宰君」

書類の束を森に手渡す太宰。
着替えを終えてその様子をエリスと椅子に座って見守る少女。

そして左右の大きさの異なるリボンを直す中也。

「ふむ。太宰君の集めてくる情報は良く纏まっていて見やすいね」
資料を読む森。

「当たり前でしょ。中也どいて。ねえ、アレキサンドライト。君はどんな事を仕込まれてきたの?自分じゃ異能は発動できないの?」

リボンを直していた中也を押しのけて少女の前で矢継ぎ早に質問をする太宰。

真意を理解する前に首を傾げてしまう。

「痛いのは、本物を呼ぶ」

「なるほど?」

太宰が言うが早いか、彼女の顔面を引っ叩いた。

小さな身体は椅子から激しく転げ落ちた。

「起きなよ」

「なん、」

「なんでって言いたいの?バケモノを殴って何が悪いの?」

「おい太宰!手前!!!」

「黙ってて」
胸ぐらを中也に掴まれたにも関わらず視線は彼女を見続けている。

「異能が使えるかと思って拾ったんだ。使えなければ遅かれ早かれ塵となるだけ。森さん、窓開けて」

今まで様子を見守っていた森も、太宰の考えを見越したのか窓を開けるボタンを押した。

じゅういち→←きゅう



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作者名:蘭兎 | 作成日時:2019年8月1日 22時

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