勝負 ページ7
「みーつけた。」
切迫した心に似合わない間延びした声に
抱きしめられた温もりに
あたしは驚きを隠せなかった。
その声は、温もりは、ここに居てはいけない人のモノ。
会いたくて、けれど決して会ってはいけない人。
「蘭丸……？」
恐る恐る振り返ると、見慣れた美形と細い桃色の髪が視界に入った。
そして、慌てて目を逸らす。
「……何で居るんだ？」
あたしは強く唇を噛み締める。
そうでもしないと、涙が溢れるから。
「それはこっちの台詞。
何で居なくなった？」
あたしがここに居るのを知っているのは優一さんだけ。
話を聞いて、来てくれたのだろう。
嬉しい
けれど、ダメ。
「優一さんに話を聞いたなら知ってるはず。
修行の為。
……一人で修行しないと意味無いから。
帰って。」
蘭丸は暫く口を閉ざした。
納得してくれたかと思いきや
「……Aって、嘘つくの下手くそだな。」
「はぁっ!!??」
憎まれ口をたたかれた。
「う、嘘つくの下手って、何を根拠に……!!」
「修行とか言ってたけど、剣は対人練習が必須だし。
…A程の使い手でそれが分からないバカは居ない。
理由は、他の事だろ？」
「…っ……。」
あたしは言い返せずに唇を更に強く噛んだ。
何で、こんなにすぐあたしのことが分かるのか
少し悔しい。
蘭丸はあたしから腕を離したかと思うと、あたしに向き合った。
「…修行っていうなら、その成果見せてみろよ。
対人練習、してやる。
お前が勝ったら、俺は帰る。
俺が勝ったら、お前は戻る。
そういう条件でな。」
蘭丸の手には、いつの間にか竹刀が二本握られていた。
勝負、ってことか……。
戦いを見ても、剣城にならともかく蘭丸はあまり剣は上手くない筈。
これは、神様からのサービスなのかもしれない。
自分に区切りをつけて、蘭丸にも納得してもらって
一人で生きる決意を固める為のサービス。
あたしは蘭丸の手から一本の竹刀を抜いた。
「……いいよ。
受けてたつ。」
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
