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最初の話はかなりトーンが暗めですが、後から上がってくるんでね。
見限ったりしないでくださいね!
いやホントお願いします。生意気承知で。
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「体が弱いんだ、可哀そう」

小学校のマラソン大会。完走できず、倒れてしまった私は、周りからしばらくそんなことを言われ続けた。

確かに他の子より体力が無い事は自覚していたし、言われるのは慣れていた。

だが、言われることは、心地の良いものではなかった。

まるで、馬鹿にされているような感じがするのだ。

もちろん、相手にそんな気持ちが無いのは、分かっている。

頭では分かっているのに、心はそれを理解してはくれないのだ。

そんな自分と、虚弱な体質が、嫌いで堪らなかった。







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中学に入学した頃、健康観察を受けた。

小学校の頃は、特に異常は見られない、いたって普通の結果だった。

だが、この時は違った。

気付けば私は、詳しい説明もないまま、病院に連れていかれていた。

診断結果を直接知らされることはなかった。

が、母が青白い顔で、目の縁に涙を浮かべながら帰って来た時には、その意味を悟ってしまった。

母は家に帰るなり、泣きながら私の事を抱きしめた。

ごめんね、と、消え入りそうな声を何度も繰り返していた。

私は、黙ってそれを受け入れるしかなかった。







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父が、珍しく家にいる。そう思えば、「家族みんなで遊びに行こう」と、誘われた。

平日であることに違和感を感じたが、私は、その違和感から目を逸らした。

楽しかったが、心の底にある不安に、とにかく苛まされた。

いやに優しい両親の態度は、私の不安を更に煽った。

まるで、命日の様じゃないか。

そんなことを思った。






そして、それは現実となってしまった。

その日の帰り、私たち家族を乗せた車は事故にあった。

誰がどう見ても、絶望的な状況だった。

ぶつかった車同士から、濛々と立ち上る炎は、辺りを明るく照らしていた。

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カノ最高!!!!(プロフ) - らんくる番長さん» こちらこそ返信ありがとうございます!活動応援してますね! (2018年5月18日 2時) (レス) id: 88a4801eb5 (このIDを非表示/違反報告)
らんくる番長(プロフ) - カノ最高!!!!さん» コメントありがとうございます!嬉しいです。励みになります! (2018年5月16日 19時) (レス) id: 2c4ca24e11 (このIDを非表示/違反報告)
カノ最高!!!!(プロフ) - とても面白い展開ですね、僭越ながら更新心待ちにしてます (2018年5月15日 0時) (レス) id: 88a4801eb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らんくる番長 | 作成日時:2018年5月5日 21時

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