marionette doll【霧隠ラント】

4，挨拶 ページ7

ドアを開けると、ジンペイ君の他に四人…うん、大方私の予想通りだ。

「おー！A！！」

「Aさん！いらっしゃい」

私の姿を確認した途端、ジンペイ君ともう一人──同じクラスじゃないかと予想した子の声……この感じを見ると、やっぱり同じクラスみたいね。

「さっき言ってた、オレのクラスの転校生だよ！」

「望月Aです。よろしくお願いします！」

嬉しそうに、ニコニコしながらジンペイ君が話を振るものだから、ちょっと調子が狂う。…ジンペイ君は、基本的に人懐っこい子なんだなぁ…。

私の挨拶が終わると、全員の自己紹介が始まった。
まずは、ジンペイ君の隣の小さい男の子。

「僕は小間サン太夫。同じクラスだし…仲良くしてね！」

愛嬌のあるぷにぷにしたほっぺをフルに活用して、彼は微笑んだ。…か、可愛い……っ…。
正直そのほっぺたを触りたくて仕方がなかったが、顔には出ないようにして、よろしくね。とだけ返した。
ジンペイ君は、そんな私の様子を知ってか知らずか…すぐさま次の人の紹介に回してくれた。

次は、変わった髪型の男の子だ。緑……緑は確か…学力基準…だったっけか。

「ぼ、僕は玉田マタロウ！よろしくねAさん！」

こちらの子も、私を歓迎してくれているようで…ニコッと笑って手を差し出してくれた。
断る理由もないので、よろしくね。と彼の手を握り返して握手する。…この子は…私より少し小さいくらいかな…？。

手を離すと、すぐさまジンペイ君が次に……回す前に──おそらくはYSPクラブのたった1人の──女子が、はいはーい！と元気よく手を挙げた。

「私は姫川フブキ！ロボやメカ、発明なんかが好きな…いわゆる、理系女子ってやつかな？クラスは違うけど、良かったら仲良くしてね！」

確かに彼女の手には、開発途中であろう発明品が握られていた。発明品を一旦机に置いて、ニコリと微笑み手を差し出す彼女……可愛い子だなぁ。愛嬌があって、元気で明るくて……そんな子から、良かったら仲良くしてね…なんて、仲良くしたくないわけもないし、むしろこっちからお願いしたい。

「次々！じゃ、最後はメラだな！」

メラと呼ばれた男子生徒は…ハッキリ言って、少し怖かった。
赤色の髪は、固めてオールバックにしてあり…目の下には、大きな傷があった。
……明らかに、明らかに不良。YSPクラブって、一体何者……？
と、不良であることに気がついた私が、1人で慌てて(脳内で)いると、そんなに怖がるなよ、と挨拶してくれた。

5，入部希望→←3，YSPクラブ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す