【狼ゲーム】1人より2人がいい【短編集】 (ページ10)

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連れてって『色々』ページ10

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[世界線:ファントムウルフ]
〜前回と同じ設定〜

警察が、世間を騒がせている頃。私は、よくわからない状況に巻き込まれていた。

目の前には、高校生4人組と、大人4人組。椅子に縛られてるうえ、目隠しもされてるけど、気配でなんとなくわかる。

…あ、これ…私、拐われたんだな。

そうわかってから1秒、2秒。少しだけ時間をおき、打開策を考えた。何もできないけど、何かしないと、死ぬ可能性もあるからだ。数多の命を葬ってきたけれど、あれを処理するまでは、私は死ねない。兄妹に顔向けできない。だからすぐに帰して欲しい。あのヤケ食いの跡はさすがに見られたくない。特に妹。同じ女子だからか、容赦がない。兄は控えろとしか言わないのに、妹はお菓子全部没収のうえカロリー制限までかけてくるのだ。早急に回収を行いたい。でも何もできない…どうしよう…

…とりあえず、会話でも聞いておくか。

遠くて聞き取りずらかったので、頑張って顔を声の方向へ近づけ、皆の声を聞いた。

「…！…ら！」
「…れ…………え……！」
「……い…」

…ダメだった。何も聞こえない。きっと、かなり遠くにいるのだと思う。え、なんでそんなに遠いの？え、何、まさか、寝てると思われてる？ずっと起きてるのに？酷いなこれ、扱いが…
縄だけは、解いておくか…？…いや、それは、後でもいいか。怪しまれないのが先だ。

私は、何も知らない人のフリをして、助けを求めた。

「あ、あの…誰か、いるんですか…？」
「！え、えーと…大丈夫？何もされてない？」
「へ？…え、あ、の…何が…」
「何話しかけてんの、ポンコツナリ。まず目隠しと縄を解くのが先でしょ」
「そうよ、ユキナリくん。保護が先でしょう？えーと…少し待っててくれる？」

…この様子…私の正体は、バレてない…の、かな？
わからないけど…

誰かに目隠しを解いてもらって、1番に目に入ったのは、綺麗な女の人だった。ピンク色の髪の人。
とても綺麗で、思わず見惚れてしまいそうだ。この人も、ブラックリストに、載っていた気はするけども。

えーと…見たところ、怪盗団かな？巷で噂の…
私の所でも有名だよ。たしかー…今の女性は、ミホさん、だっけ？まあ、名前覚えてると、逆に怪しまれるだろうし、覚えてないフリをしよう。それで何か起きたら、本末転倒だからね。

不安気な顔をして、周りをキョロキョロと見渡すフリをした。実際は、周りに何があるか、確認しただけだけど。