5日目 ページ5
先輩と噂になって1週間が過ぎた。
相変わらず私の教室に来る人も絶えず、下駄箱には紙がはいってる事も多い。
先輩と過ごしてわかったことがあった。
先輩はイケメンで、よく笑う。
私に会いに来るのは気まぐれで、授業はよくサボる。
そして、時々どこか私じゃない遠くを見てる気がする。
『ねぇ、先輩〜?』
「ん〜?」
『好きです』
私のその言葉に決まって先輩は。
「ありがとぉ♡」
と答える。
まだ先輩の心は私に向いてないみたい。
『先輩…1つわがまま言ってもいいですか?』
「…ん?」
『ちゃん付け…やめて欲しい、デス』
下を向いて先輩から来る言葉に身構える。
付き合ってる間のせめてもの悪あがき。
私と先輩が付き合ってるのは奇跡だから。
ずっとこの関係が続くわけが無い。
そんなことわかってる。
先輩が私のことを好きになる確率なんて0%だから。
少しの間だけ夢見させて?
「A」
『っ…やっぱやめで!
なんか恥ずかしいですっ…!』
「Aが言ったんだろ〜?
じゃあAも俺の事蘭ちゃんって呼べよ♡」
『え…』
正直びっくりした。
きっと私に興味のない先輩は私に名前を呼ばせる気はないと思ってたから。
少し期待しちゃってもいいのかなって…
『…蘭、センパイ』
「えー、Aは俺の事ちゃん付けで呼んでくんねぇーの?」
『恐れ多いデス…
もう少しだけ…待ってください』
先輩はクスクスと笑って私の肩に顎を乗せた。
耳元に先輩の吐息がかかる。
いつもの甘い声で「いーよ♡」と囁いた。
私はまた先輩に溺れる。
先輩はそのまま学校から帰ってしまい、私は教室へと帰る。
今目の前には怒る友人の姿。
「A…」
『ん〜?』
「最近ちゃんと授業出て無さすぎ…
このままだと進級出来ないよ」
『その時はその時だよ〜』
「A…灰谷蘭に、似てきたね」
『え"、本当に!?
やった〜!!!』
その言葉が嬉しくて私は友人にガバッと抱きついた。
友人はそんな私を突き返すことはしなかった。
だから知らなかったの。
その言葉がいい意味で言ったわけじゃないってことを。
あの頃の私は先輩に釣り合うために、好かれるために必死だったから。
目の前の大切なものすらちゃんと見えてなかったの。
「私はAが心配だよ…」
『ん〜?なんて?』
「…なんでもない」
友人のなにか呟く声は私には届かなかった。
268人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
7℃(プロフ) - ありやけさんさん» え、本当ですか…では頑張って更新します、、 (2021年11月12日 20時) (レス) id: a3f6717434 (このIDを非表示/違反報告)
ありやけさん(プロフ) - すきすぎる… (2021年11月6日 21時) (レス) @page15 id: 5965475948 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:7℃ | 作成日時:2021年10月14日 8時