わん(疲れた時は酸っぱいものを) ページ2
目が覚めて、見えたものはモノクロの世界だった。
周りを見渡す
あるのはモノクロ。
あ、少し上が青っぽい。空かな
って、
おかしい。
俺は目なんて悪くないぞ
...?モノクロで気づかなかったけれど、なんかいる。
...大きさからして子供かな
にしても...着物かぁ...何か祭りでもあるのかなぁ
何てことを考えてたら
「人んちの前で何やってるネ くそがきかども」
「エ〇本でも落ちてたアルか?」
可愛い声なのに内容が残念な女の子の声。
そんな声が聞こえた途端香る匂い。
普通は甘いとかそんな感じなのだろうが
酸っぱい。実に酸っぱい
「ウワァァァ酢昆布娘だァァ!!」
「逃げろォ 酸っぱい匂いがうつるぞ!!」
あぁ...酢昆布...道理で酸っぱい匂いのわけだ。
「フン!ガキは母ちゃんの〇でもしゃぶってな」
だから内容...
...なにか喋らないといけない気がして声を出した。
「あの」というこの2文字を
だけど
俺から出たのは
『ワン』
この2文字だった
そっか...俺...『犬』になってたのか...
嫌なんで?
そんなことを考えながら見えたモノクロの影は
「わあっ」
なんだか嬉しそうな、そんな感じの声を出していた。
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作者名:きたろー | 作成日時:2019年3月4日 0時