東洋の魔女 (ページ9)

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二度寝独特の倦怠感で目覚める

起きると嵐は止み。嘴に新聞を加えたふくろうが窓ガラスを叩いている

ふくろうを中に入れようと窓ガラスを開けようとしたらハリーが起きてきて、窓を開け放った

新聞をハグリッドの上に落としていった

するとお金の催促の為にふくろうがハグリッドのコートを激しく突っつきだした

ハリーが止めてもふくろうは獰猛にコートを襲い続ける

「ハグリッド…ふくろうが」

「金を払ってやれ」

「何円？」

私が払おうと思いハグリッドに尋ねる

「5クヌートやってくれ」

眠そうな顔でハグリッドが答える

「ハリー、これが1クヌートね」

？という顔をしていたハリーに見せる

ふくろうの足に括り付けられた小さい革の袋にお金を入れる

開け放した窓からフクロウが去っていった

ゆっくり欠伸をしながら起き上がるハグリッドが言った

「出かけようか2人とも。今日は忙しいぞ。ロンドンに行って入学用品を買いに行こう」

私に5クヌートを渡しながらそう言った

「あのね…ハグリッド、Aさん」

「ん？」

少し悲しそうな顔でハリーが言った

「僕、お金が無いんだ…それに、きのうバーノンおじさんから聞いたでしょう。僕が魔法の勉強をしに行くのにはお金を出さないって」

「心配要らないよ」

私がそう言うと

「なんで？」

と聞いてきた

「父さんと母さんが何も残さなかったと思うのか？」

「でも家が壊されて…」

「家の中に全財産なんて置いていかないよ」

「さぁグリンゴッツに行くぞ」

「魔法使いの銀行ね」

と私が耳打ちする

「魔法使いの世界には銀行まであるの？」

「1つしかないがね。グリンゴッツだ。小鬼が経営しとる」

「こ・お・に？」

ハリーは持っていた食べかけのソーセージを落としてしまった

「まぁ…いいとこではあるよ…安心安全で」

「ホグワーツの次に安全だ」

ハグリッドは誇らしげに反り返る

「ダンブルドア先生は大切な用事をいつも俺に任せて下さる。お前さんらを迎えに来たりグリンゴッツから何か持ってきたり…俺を信用していなさる。な？」

「忘れ物ないね？さぁ行こう！」

ハグリッドに着いていく

空は晴れ渡り、海は陽の光に輝いていた。船が一艘あるが船底が水浸しだった

「どうやって来たの？」

「飛んできた」

「私も」

「おまえさんを連れ出したから帰りはこの船だな…」