【BL松】The course of true love never did run smooth.2【カラ一】

とある猫の想い。8 ページ36

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あの時、もしも松野カラ松が見つかっていなかったら

一松君は今どうなっていたのだろう。



考えるだけでぞっとする。

私のせいであんなことが起こってしまったのだ。



私は最低な猫。






「A、ありがとうな」



へ？



「お前のおかげでカラ松と結ばれることになったんだ。
　だから、ありがとう」




私のせいで一松君は危ない目にあったのに？
私なんてなんの役にもたててないのに？



私って本当に猫なのかな。

また、涙が溢れてきた。




「A？泣いてる？」



にゃあん。



「なんだかお前は猫らしくないね」



にゃあ。



「もう、話せないのかな」



にゃ、



「…A、お前は前世、きっと人間だったのかもしれないね
　もしかしたら僕と仲が良かったかもしれない」



にゃぁ。






「こんなところにいたのか。一松」





「帰ろう」



「…ん」





もし、私の前世が人間で

一松君と仲が良くて、
その時も私が一松君に特別な想いを持っていたとしても、




やっぱり、松野カラ松にはかなわないだろうなぁ。




一松君にばれないように私にパチンとウインクをする彼を見て、

ぼんやりとそう思った。





にゃあお。




(さて、ご主人のところに帰ろう。)




＜とある猫の想い。＞



Fin.

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