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とある猫の想い。5 ページ33

空がオレンジ色に焼けるころ、

一松君の家族が帰ってきた。



窓の外から聞こえる声には松野カラ松の声も混じっていた。



「あ、」



思わずといったふうに声をあげた一松君は

窓を眺め、なんとも悲しそうな顔をした。




そんな顔しないで。
私まで泣きそうになってしまうよ。




それも一瞬のことで、一松君はすぐ無表情になり
階段を下りて行った。

なんとなく、足音を立てないように私もついていく。




「たっだいま〜!!」


「…おかえり」




兄弟の前でなんでもないというように返事をする一松君。


そして、意識しているのか無意識なのか、
彼の視線は松野カラ松のほうへちらりと向いた。




ただ、それだけ。


それだけだたった。





一松君が悲しむところなんてもう見たくない。






昨日のように、するりと舌が動いた。





「『僕、松野家四男。松野一松。
 二つ上の兄に恋をしました。』」


にゃあ。





ピタリと、みんなの動きが止まる。

視線が私に集まる。


当の一松君は、わけがわからないと唖然としている。



「『僕はその気持ちを隠しました。だって、こんな汚い気持ち許されるわけないから。
 でも、すごくすごく大好き。大好きで、僕は壊れてしまいそう。』」


にゃあ。




「『なんだか、好きという言葉だけで片づけたくないくらい。
 僕はそれだけ、愛しています。』」


にゃあ。




「『もし、ジュリエットがこんな哀れな僕を見てくれてるなら、
 どうか、あなたの勇気をください。少しでいいから分けてください。』」



にゃあ。




一松君はようやく理解し始めたようだ。

焦っている顔がうかがえる。



「『僕、僕は、』」



にゃあ。





「やめろよ!!!」




ごめんね。一松君。




「『松野カラ松に恋をしています。』」




にゃあん。

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設定タグ:BL松 , カラ一 , おそ松さん   
作品ジャンル:恋愛
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らむ。(プロフ) - リオさん» ありがとうございます!とても嬉しいほめ言葉です!(*´▽`*)がんばります! (2016年9月15日 21時) (レス) id: efe69f3414 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - とても素晴らしい作品でした これからも頑張ってください! (2016年9月15日 17時) (レス) id: 889e2571f1 (このIDを非表示/違反報告)
らむ。(プロフ) - 妖精さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございます!私も二人の甘々を書いていきたいです笑 (2016年9月9日 22時) (レス) id: efe69f3414 (このIDを非表示/違反報告)
妖精(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ありがどうございまじた。゚(゚^ω^゚)゚。2人の甘々を見ていたいですぅぅぅう! (2016年9月9日 22時) (レス) id: 23cfb2a52c (このIDを非表示/違反報告)
らむ。(プロフ) - りん@カラ松girl☆さん» こちらこそ、素敵な作品をありがとうございました!^^ (2016年9月7日 20時) (レス) id: efe69f3414 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむ。 | 作成日時:2016年8月25日 9時

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