【魔入間】アンラッキーを添えて【オリアス・オズワール】 (ページ28)

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『ごちそうさまでした、、おいしかったぁ！』

オ「はい、これからはちゃんと食べるんだよ？」

そう言って私の頭をぽんぽんと撫でる

あれ、子ども扱いされた？と複雑な心境で彼を見た

彼はそんな私の感情を見透かしているかのように、

「なぁに？」とその口をニヤつかせる

煽られていると分かっていてもなんだか無性にムカついて

でもそれに反抗するのも子供っぽいかと思い

別にぃ、と言って表情を隠した

やってからわかったが、この行動も充分子供っぽい

どの選択肢を選んでも、これから逃げられないような

彼の敷かれたレールの上を歩いているような。

そんな感じがしてまた見えないゲームに負けた気がした

なんだか負けたままで終わりたくないと

勝負師(ゲーマー)としての意地が沸き上がる

『オズ、こっち見て』

オ「ん？なぁに、、、って、え＿＿＿？」

余裕しゃくしゃくで振り返った彼が目を見開いて固まる

そりゃそうだ、さっきの彼がしたように

彼の頬を両手で覆って顔を至近距離に持って行ったのだから

『＿＿＿私の勝ち、だね？』

自信満々の笑みでオズに向かってつぶやく

彼は顔を真っ赤にさせていて、動揺して動かなくなった

よく遊ぶ仲だからわかるんだ、彼はこう見えて

とってもピュアで恥ずかしがり屋なんだと

(よし、これは勝ったな…！)

自分の中のよくわからない勝負に勝敗をつけて

無事に勝ったからと彼から距離を取ろうとする

だがそれを阻止したのは、まぎれもなく彼だった

彼から離した手をがっしりとつかまれる

一瞬下を向いた彼が、何かを決意したかのように息を飲んで

私をじっと見つめた

(～っ、ズルい、！！！)

しかけた側は私だったはずなのに

彼に見つめられるだけで顔が赤くなっていってしまう

そんな私に気が付いたのか、

彼は驚いたように一瞬力が抜けて

私を掴んでいる手にも隙が生まれた

(今だ…！！！！)

そう思って彼の手から急いで逃れる

また驚いた彼を遠目で見ながら逃げるように叫んだ

『わ、私バラム先生に用事あるんだった！じゃあまた！！』

オ「え、ちょっ＿＿＿＿」

叫ぶオズを置いて部屋から出る

今の自分はまるで「覚えてろよ～！」と叫んで逃げる悪役みたいだ

(完・全・敗・北、、、、！！！)

見事なまでの敗北に、赤くなった顔を誤魔化しながら

空想生物学準備室へ走った