【魔入間】アンラッキーを添えて【オリアス・オズワール】 (ページ27)

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ズルいなぁ、ほんと彼にはかなわない

悩んでいることを見抜かれて、

挙句その悩みも吹っ飛ばしてしまうなんて

これは完全敗北だな、と

もとから勝負しているわけでもないのにそう思った

(好きだなぁ、、)

やっぱりこの気持ちは、強くなっていく一方なのだ

オ「あー、、俺も、ちょっと休憩」

そう言って彼は帽子を深くかぶる

どうやら家系魔術を今オフにしたようで

すこし脱力して彼はそのまま机になだれ込んだ

『、、、ふふ～っ♪』

オ「…。何悪魔(ヒト)の髪で遊んでんの」

『いやぁ、無防備だなぁと思って？つい、ね』

オ「は、、？」

彼の帽子からはみ出た髪に触れくるくると回す

彼が、私の前では能力を切ってくれることが

無防備な姿をさらしてもいいと思ってくれている証で

それがなにより嬉しかったのだ

オ「…どっちが、、だよ、。」

『…え？なに？』

机に伏せているため彼の言葉がもごもごしていて聞き取れない

なんて言ったのか気になって彼を覗き込む

と、思ったら急にガバッと姿勢を立ち上げ

私の頬をその両手で包んで顔を固定させられた

すぐ目の前には彼のきれいな顔がある

輝きが絶えないその瞳が、私のことを映していた

(えっ？ええ！？ななななに！？！？なに！？)

急な至近距離にパニック状態になる

彼は少し眉を寄せて私を睨んだ

オ「＿＿どっちが無防備だよ」

思いもしない言葉が彼から発せられて固まる

鳴りやまない心臓の音だけが、静かな空間に響いて聞こえた

オ「…なーんちゃって」

『ぅえ、、？え？えっオズ？？？どういう！？』

オ「そうやって男をからかうと、いつか痛い目見るよ～？」

そういって私から離れるオズ

私の頬をおさえていた手も、ぱっと放してひらひらと揺らした

別にからかったつもりなんてなかったのだが

無防備と言われたことがそんなに嫌だったのだろうか

彼の地雷が分からず、困惑したまま魔ーメンを食べた

そのあとはゲームの話やら、

彼が顧問を務める遊戯師団(ゲームバトラ)の生徒の話やら

いつも通り変わらない雑談をする

でもなんだか少しいつもとは違った気恥ずかしいような、

気まずいような空気もまじりあっている気がして

少しここから逃げ出したいような感情もあった